2011年2月27日日曜日

≪書評≫ロングエンゲージメント なぜあの人は同じ会社のものばかり買い続けるのか

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電通のアカウント・スーパーバイザー
京井良彦さんという方の本です。

著者のベースとなる主張は、
「アテンション」ではなく、
「共感」を得ることが重要、ということです。

広告が、コミュニケーションの成立という本来の役割を果たしていくためには、生活者のアテンションではなく共感を獲得するクリエイティブが必要になっていると、僕は考えています。

確かに、ここまで世の中が情報過多になると
これまでの広告会社が得意としてきた、
「アテンション」の力が限りなく落ちてしまったことは
否定のしようがないと思います。

このあたりの考え方は、
電通が最近発表したSIPS
つながるものがあります。
それは、著者の京井さんも
SIPSを発表した「サトナオ・オープン・ラボ」の
メンバーなので当然ですが。

著者はこの本の中で、
下記のようなことを言っています。

企業と生活者が、共感という価値観によってつながるきっかけは、価格や品質、機能といった物理的な要素ではなく、「コンセプト(全体像)」「ストーリー(物語)」「デザイン」といった感情的なものです。
ストーリーの重要性を示す例として、
モレスキンの話が紹介されていますが、
なるほど、ストーリーってそういうことか、
と思いました。

今の広告会社が
アテンション至上主義から脱却するのは
なかなか難しいのかもしれませんが、
ふと自身の消費者としての経験を考えてみても、
アテンションから購買につながったことって
ほとんどない気がします。

逆に、TOYOTA ラクティスの
「イマドキ家族」みたいなコミュニケーションは、
「共感」できる部分があり、
ラクティスって「アリかも」って思わせる力がある気がします。

2011年2月26日土曜日

≪書評≫キュレーションの時代 佐々木俊尚

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かなりお勧めの一冊、
2011年新聞・テレビ消滅」の著者、
佐々木俊尚さんの新刊です。


まず、この本のタイトルにもなっている、
キュレーションとは、
「無数の情報の海の中から、
自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、
そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること」です。

ただ、この本題(キュレーションの話)に入るのは、
本書の半分以上が過ぎた第四章からです。
もちろんそこにつながる話がずっとあるわけですが、
なんだか回り道をしているような感覚もあり、
でもその「回り道」がこれまで体験したことがないほど心地よく、
常に楽しみながら、そして期待値を高めながら、
目的地(キュレーションの話)まで読み進めました。

紹介したい内容が多すぎて困るのですが、
あえて絞って書くと、
本書の中に出てくる「視座にチェックインする」
という考え方にとても共感しました。

キーワードやジャンルや場所のような無機物を視点にする限り、斬新な新しい情報はなかなか入ってこない。でも他者の視座にチェックインして、その人たちの視点で世界を見ていくと、鮮やかな新情報が次々と流れ込んでくる。

チェックインというのは、
foursquareの用語から来ているのですが、
そこから情報を収集するという行為と
それを友人に伝える(シェア)という行為の
意味が含まれいます。

他者の視座にチェックインするというのは、
信頼できる人のTwitterをフォローしたり、
信頼できる人のブログを読んだり、
とった行為のことですが、
マスメディアが衰退し、ソーシャル化が進む中、
「他者の視座にチェックイン」する傾向が強まり、
そうすることで情報がタコツボ化することなく、
情報のセレンディピティを生み出すということです。

たぶん、この本のあとがきを読めば、
広告人として読まずにはいられません。

マスメディアを経由して情報をコントロールする旧来の「広告」は消滅します。マスメディアの記者に情報を提供する「広報」も、ビオトープが無数に立ち上がってくる中で意味をなくしていきます。広告も広報も販売促進もやがては一体化し、「どのようにして的確なビオトープに情報を投げ込むのか」「どのようにして情報を発信するのか」といったことをポートフォリオを組んで分散させ、的確にコンサルティングできるような広告企業だけが生き残っていくことになるのではないかと、私は考えています。
(中略)
大切なのは、将来出現してくるソーシャルメディアを軸とした情報の流路がどのような全体像になっていくのかというビジョン。そのビジョンをきちんと認識し、そのフレームワークに向けて中長期的な戦略を持って行くことでしょう。いまのメディア・広告業界のとりくみは、戦略と言えるほどのレベルにはとうてい達しておらず、広告「戦術」をとっちらかってやっているだけのように思えます。

マスメディアを経由した広告が
完全に「消滅」するとは思いませんが、
限りなく衰退するのは目に見えています。
そして我々が「戦術をとっちらかってやっている」のも
正直、感じるところです。

2011年2月20日日曜日

ユニクロ UNIQLOOKS : 広告賞総なめの予感?

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ユニクロ UNIQLOOKS
http://uniqlooks.uniqlo.com/


























UNIQLOの新しいオンライン・ファッション・コミュニティ
「UNIQLOOKS(ユニクルックス)」です。

これは、なんとなく、
世界のいろんな広告賞総なめの予感がします。

UNIQLOOKSは、Facebookと連動しており、
ユーザー登録すると、
ユニクロの商品を身に着けた自分の写真を
投稿することができ、
さらに投稿された写真には、
「いいね!」で投票することもできます。

なにがすごいって、
それが世界規模ってのもすごいですし、
ECと連動してるところもさすがって感じです。
(現状は商品カテゴリへのリンクですが)

さすがにオープンしたてなので、
今UPされている写真は、
どれも仕込みのような感じがしますが、
Facebookと連動しているので、
写真の人物はみんな実名であり
リアルな感じが伝わります。

見てるだけでもファッション誌を
眺めているような楽しさもあり、
さらに国や性別、年代で絞って、
検索することもできます。

■Facebookと連動した「コミュニティ」であること
■ECと連動した売りにつながる仕組みであること
■グローバル対応であること

まさに今最先端の事例だと思います。

≪書評≫<アイデア>の教科書 電通式ぐるぐる思考

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〈アイデア〉の教科書 電通式ぐるぐる思考
山田壮夫
朝日新聞出版
売り上げランキング: 4264


アイデアの作り方」(ジェームス・W・ヤング)の
電通版という感じの本です。

「ぐるぐる思考」には四つのモードがあるそうです。



①感じる
⇒あらゆる情報をとりあえず「フムフム」。
主観的に情報を判断、整理することなく、
様々な関連情報を一旦受け止めます。

②散らかす
⇒ロジカルシンキングの「拡散→収束」の
「拡散」にあたる部分です。
恥を捨てて、一人ブレストをします。

③発見!
⇒「目標―課題―アイデア」が論理的に成立するような
課題、アイデアを発見します。
課題をどう設定するかも重要です。

④磨く

⇒「目標―課題―アイデア」から「具体策」につなげます。
優れた具体策をうまないアイデアは
固執せずに見直すことが大切です。

ちなみに、この本でいう<アイデア>の定義は、
『目標に向けて、課題を解決する新しい視点』
とのことです。
思いつきとかひらめきとは少し異なります。

当たり前のことにも思えますが、
この4フェーズをそれこそ「教科書」的に
会社全体で実践していくことが重要だと思います。

いきなり④の具体策から入ったり、
「思いつき(≠アイデア)」の③から入ったり、
①をすることなくいきなり②のブレストを始めたり、
意外とそんな進め方も多い気がします。

それと重要なのは、
常に<アイデア>が求められているのではなく、
ロジカルシンキング的に導き出す解決策が
求められていることも多いということだと思います。

ロジカルシンキングと<アイデア>を
うまく使い分けできるようになりたいものです。。

TweetabilityとFacebookability

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先ほどのエントリーで、
教えて!カンヌ広告際」の書評を書きましたが、
その本の中に、
「トーカビリティ(talkability:話題にしやすさ)」
の重要性という話が出てきます。

広告に触れた人が
いかにそれを話題にしてくれるか、
ということです。

2年くらい前に、
アメリカの某カンファレンスに参加した
当時の上司が言っていましたが、
アメリカでは「YouTubable」という
ワードが流行っていたそうです。

これは、キャンペーンなどで、
ユーザーがYouTubeに投稿して
Buzzを生みだしてくれるような仕組みをつくる
ことが重要だ、ということだと思います。

今アメリカでどういうワードが
流行っているかは知りませんが、
今のソーシャルメディアの状況を考えると、
Tweetable(Twitterでつぶやきたくなるような)であることと、
Facebookable(Facebookの「いいね!」や
「シェア」で友達に勧めたくなるような)であることが
重要だと思います。

キャンペーンサイトで、
Tweetボタンやいいね!ボタンがないのは、
ありえないことかもしれませんね。




≪書評≫教えて!カンヌ国際広告際 広告というカタチを辞めた広告たち

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教えて! カンヌ国際広告祭 広告というカタチを辞めた広告たち (アスキー新書)
佐藤達郎
アスキー・メディアワークス
売り上げランキング: 55660


カンヌ国際広告際の審査員も務めたことがある
佐藤達郎さんが、カンヌ国際広告際の裏側から
カンヌ受賞作に共通する広告の
特徴などを綴った本です。

本書の中で特になるほどと思ったのは、
「広告がラブレターである時代は終わった」
という話。

確かに広告は、
よくラブレターに例えられる(られていた)。


現代はむしろ、楽しい時間をどれだけ一緒に過ごせるかが重視されているのではないだろうか。




すべての商品カテゴリで当てはまるとは思わないが、
「エンゲージメント」が重要というのは確かだと思います。

広告コミュニケーションでいえば、いきなり「この商品を買ってください」とか「この商品はこんなにいいんです、 この商品はこんなに便利です」と告白型で一所懸命伝えようとする手法は、なかなかうまくいきにくい。これに対して、まず関係をつくっていく“関係育成型”は、いろいろな形で楽しい時間を共有するという場面を増やしていく手法であり、現代の恋愛のリアリティに沿っている。

本書の中で、
カンヌで受賞するような海外の事例には、
商品特性(USP)を伝えようとするのではなく、
ブランドの意志(ブランド・ウィル)を伝える広告が多い、
という話も出てきます。

成熟社会の中、明確なUSPなんてなかなかないので、
無理に商品特性を伝えようとするのではなく、
ブランドパーソナリティを表現して、
ユーザーとのエンゲージメントを築くことが重要、
ということだと思います。

前にタイのアドフェストには行ったことがありますが、
いつかカンヌにも行ってみたいです。

2011年2月17日木曜日

Android au クチコミカタログ : 「いいね!」の使い方

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Android au クチコミカタログ
http://au-is.jp/kuchikomi.html


















機能訴求をわかりやすくしながら、
Twitterを使うことでクチコミ効果を狙い、
さらに、ユーザーがどの機能に興味があるのかを調べる
ユーザー調査の役割まで果たしています。

「いいね!」で投票させるという手法は今後増えると思います。

でもこのサイトの「いいね!」は
Facebookの「いいね!」じゃないですね。。

Facebookの「いいね!」にすると、
Facebookユーザーしか投票できませんが、
Facebookの「いいね!」(もしくはmixiのイイネ!?)じゃないと、
その友達に「××さんが×××をいいね!と言っています」と表示されるという、
とても魅力的なクチコミ効果が期待できなくなってしまします。


2011年2月16日水曜日

僕と孫正義さんの相性は8%。tweet相性診断

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tweet相性診断 | ソニーのヒト・コト | ソニー
http://hitokoto.sony.jp/shindan/index.html



Twitterでフォローしている人との相性診断コンテンツ。

シンプルでなかなか好きです。


ただ、ふと、
これってソニーがやる意味って何だろうと思いました。

たぶんポイントは2つ。

1つは、
診断をするには、
@sony_hitokotoをフォローしないといけないこと。

このアカウントでは、
ソニー製品に関連があることも多くつぶやかれています。
ある意味、メルマガ登録促進に近いと思います。
ただメルマガ登録に比べると、
ユーザーにとってのハードルが極めて低いです。


2つ目は、
「もっと他のコンテンツを楽しむ」
というサイト内回遊の誘導。

で、他のコンテンツを見てみると、
面白そうなものが確かにありました。
そうやってサイト内を回遊するうちに、
ソニーのブランド体験を重ねていくということでしょうか。

2011年2月13日日曜日

≪書評≫シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略

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シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略
レイチェル・ボッツマン ルー・ロジャース
日本放送出版協会
売り上げランキング: 142


インフォバーン小林弘人さん監修の本、
『シェア』です。

正直に言うと、
シェアという言葉から、
デジタル上で消費者が行う、
商品やサービスについてのクチコミ行動だけを思い浮かべて
本書を購入したのですが、
実際、この本が題材にしているのは、
いわゆるカーシェアリングなどの、
サービスとしての「シェア」がメインです。
(これを本書では「コラボ消費」と呼んでいます)


過剰消費の20世紀には、
信用履歴や広告、所有物によってその人が定義されたのに対し、
コラボ消費の21世紀には、
評判や、属するコミュニティ、何にアクセスできるか、
どうシェアするか、また何を手放すかが、人を定義するだろう。


日本が遅れているからか、
国民性によるものかわかりませんが、
たぶん日本では、
海外ほど、「コラボ消費」は進んでいません。
でもそういう傾向にあるのは同じだと感じました。

本書の中に、
「サービス・エンヴィー(service envy)」という言葉が出てきます。
サービス・エンヴィーとは、
「それを利用することがステータスになるようなサービス」のことで、
「モノよりサービスを欲しがらせること」だとも言えます。

今の20代には
サービス・エンヴィーの傾向があると思いますが、
40代になると、
まだプロダクト・エンヴィーの傾向があるような気もします。
ただ、傾向としては、サービス・エンヴィーという考え方が
強くなってきていると思います。

そんな中、重要になってくるのは、
本書の中でも大きく扱われているテーマでもある、
「コミュニティ」です。

コミュニティはブランドだ。
そしてブランドはコミュニティの持ちものだ。

こんな言葉が本書の中にありますが、
まさにその通りだと思います。

広告主や我々広告会社が、
会議室の中でブランドを定義し、
コミュニティにブランドを押し付けることはできません。

どうコミュニティを作り、
どうブランドを育ててもらうか、
難しいけど、重要なテーマだと思いました。

ちなみに、この本の初回出荷分には、
各冊固有のIDナンバーが振られており、
下記サイトに登録してこの本を友人と「シェア」すると
自分が読んだ本が今どこにあるのか
わかるようになっているそうです。

ただ、自分は、
ドッグイヤーもつけるし書き込みもするし、
読んだ本を飾って感じる達成感も好きなので、
「シェア」はしません。
(この本で何を学んだのかってなっちゃいますが。。。笑)





JUST IDEA:レシートにレコメンデーション

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JUST IDEAですが。。

amazonにしても、Twitterにしても、Facebookにしても、
Webってすごいなぁと思うことのひとつは、
レコメンデーション機能です。

たぶんこのレコメンデーション機能は、
どんどん進化していくんだと思いますが、
徐々にリアルにも進出してくると思います。

で、思ったのが、
書店で本を買ったときに出てくるレシートに、
「あなたにお勧めの本」っていうレコメンデーションが
印字されてたらいいのに、と。

さらに、その書店の会員カードがあれば、
購入履歴をDB化して、
より正確な推奨が可能になると思います。

システム的にはそんなに難しいことじゃない気がしますが、
もう実践してる書店ってあるのでしょうか。。

____

と、ここまで書いて思ったが、
リアルの書店の場合、
何か本を買おうとしたとき、
その周りに関連した本が並んでいるんだから、
それがすなわち、レコメンデーションなのか。。

まぁ、でも、
「レコメンデーション」は注目のキーワードのひとつです。

2011年2月12日土曜日

ツイートを燃料にしたレース:メルセデスベンツTweet Race

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メルセデスベンツUSAのTwitterとリアルを連動させた
プロモーション、MB Tweet Race
http://www.mbtweetrace.com/
















もう終わっていますが、
4チームに分かれた4台のベンツが、
ダラスを目指してレースを行ったそうです。
ただし、燃料は、サポーターのツイート。



途中でいろんなチャレンジが出され、
そのチャレンジもユーザー(サポーター)の
ツイートでクリアできるというものだったようです。




当然、Facebookも連動しています。

ツイッターを応援ツールとして使い、
リアルと連動するというフレーム。
あまり意味のないツイートをさせて
抽選でプレゼントをあげるという
日本でありがちなTwitterキャンペーンに比べると
かなりいいと思います。



2011年2月11日金曜日

PF-FLYERS|佐藤健×箭内道彦 ⇒ 面白い仕掛けが2つ

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ピーエフ PF-FLYERS|佐藤健×箭内道彦 
40日間毎日変わるプレミアムCM&CMメイキング映像を見よう!!
http://www.kimihadare.jp/

















面白い仕掛けが2つ。

ひとつは、
「ツイートでロックを解除してメイキング映像を見よう!!」

もうひとつは、
「プレミアムCMを写メでとってTwitterでつぶやくとプレゼント」

ただ、後者の応募方法を見ると、
特に公式アカウントのフォローが条件になっていません。
でも当選者の通知はダイレクトメールで、となっています。
フォローされてないとダイレクトメールって
送れないんじゃなかったでしたっけ??

≪書評≫IA100 ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計

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IA100 —ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計
長谷川 敦士
ビー・エヌ・エヌ新社
売り上げランキング: 42052

基本は、Webサイト制作のための
情報アーキテクチャの話ですが、
前々からずっと自分の中で漠然としていたことへの
解が得られた気がしました。

それは、
「総合広告会社」の中のWeb関連の部署にいる人が
Webサイト制作を担当する際の役割って
何だろうということです。

Web制作会社のプロデューサーとも違うわけですし。

で、この本を読んで、
たぶんそれは、「UXD」だろう、と。

UXDとは、
ユーザーエクスペリエンスデザイナーの略です。
この本でも
IAからUXDへというのが一つのテーマになっています。

言葉のままですが、
ユーザーがそのサイトに来ることで
どのような体験をするのかをデザインするということです。

最近広告でもよく言われる、
コミュニケーションデザインと考え方は似ていると思います。

そんなことを考えながら、
先日Webキャンペーンの提案をするときに、
企画書の中に「ユーザーエクスペリエンスフロー」という
ページを1枚追加してみたところ、
クライアントからも「これはわかりやすいですね」と好評でした。

どうしても制作側の視点だと、
ワイヤーフレームやサイトストラクチャみたいなところから
説明したくなるものですが、
コミュニケーションとして大事なのは、
サイトの構造よりもそのサイトでユーザーが何を体験し、
その結果、そのユーザーが何を感じ、
どういった行動を起こすかだと思います。

Webサイト制作に関わる人には
お勧めの一冊です。
(最後の方は結構専門的な話になりますが。)

2011年2月10日木曜日

最高だと思うスポンサーシップ事例:東京マラソン 専用バナナ

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東京マラソン 2011 専用バナナ
のサイトです。
http://www.dole.co.jp/tokyomarathon2011/






















スポーツイベントにスポンサーとして
協賛している企業は数多くありますが、
東京マラソンのDoleのバナナの事例ほど、
スポンサーシップとして効果が高い事例はなかなかないと思います。

アメリカなどではスポンサーシップを行う上では、
「アクティベーション」が非常に重要視されています。

アクティベーションとは、
購入したスポンサーシップ権を軸に行う
様々なプロモーション活動のことです。

つまり、会場に看板を出して、
企業ロゴが大量に露出されるだけでは、
ほぼ意味がないということです。

この東京マラソン専用バナナは、
本当にアクティベーションがうまいと思います。

PR施策もちゃんとYahoo!に出ていましたね。

2011年2月6日日曜日

≪書評≫ソーシャルメディア維新

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ソーシャルメディア維新 ~フェイスブックが塗り替えるインターネット勢力図~ (マイコミ新書)
オガワ カズヒロ 小川 浩 小川 和也
毎日コミュニケーションズ
売り上げランキング: 2800



これは、まさに今読むべき本だと思います。

なぜFacebookがここまで騒がれているのかがよくわかります。

今ある「グーグル対フェイスブック」という構図は、
つまり、「ハイパーリンク対ソーシャルグラフ」ということ。

これまでは、Web行動の入り口は「検索」で、
Web上のトラフィックを生み出していたのも「検索」でした。
しかし、これからは、ソーシャルメディアがその役割を担うという話。

ユーザーは検索するのではなく、
ソーシャルグラフから導き出されるレコメンデーションによって
行動するようになるのです。



著者は2014年までにFacebookがmixiを抜くと言っています。

正直Facebookが日本でどこまで成功するか、まだ半信半疑ですが、
この本を読むと大きなパラダイムシフトが起きていることは実感できます。

広告、コミュニケーションに関わる人なら、
間違いなく「今読むべき本」です。

JCB50周年記念サイトJIBUNCHY。コンテンツの完成度が高い。

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JCB50周年記念のWebコンテンツ 
JIBUNCHY(自分史)
http://www.50th.jcb.jp/

アイデアも秀逸ですが、
コンテンツの完成度がかなり高いです。

自分史の中の出来事に合わせて、
「ちなみにJCBはこの年、、、」という
JCB50年の歩みをみせているところが、
うまいな、と思います。

FacebookやTwitterだけでなく、
ブログやHP用のコードも用意されてて、
「シェア」の仕組みも完璧です。


















ちなみに、こちらは、
私が作った「自分史」です。
といっても、おまかせモードで作ったので、
事実とは全てことなります。
(元カノのブログは覗いていません。笑)

2011年2月5日土曜日

海外のバナー広告:BMW X3 The World's Longest Banner

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一見普通のレクタングルバナーですが、
マウスオーバーすると縦サイズが18,000pixelsまで拡大します。

日本にもエクスパンド系のバナーはありますが、
画面全体の覆いかぶさるタイプより
こういう縦に伸びるタイプの方が、
気持ちいい気がします。

サイト集客だけをKPIにすると難しいけど、
普通のバナーじゃ伝えきれない部分を伝えるのには
いいかもしれません。

↓こちらで体験できます。

2011年2月3日木曜日

AndroidユーザーとiPhoneユーザーの違い

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medibaとビデオリサーチインタラクティブが共同で
「スマートフォン利用実態及び広告意識に関する調査」
を行ったそうです。
http://www.mediba.jp/news/2011/0203/



















Androidユーザーの方が、
iPhoneユーザーよりも、
男性比率が高く、平均年齢が高いとのこと。

ただ、これは、
Androidの方がiPhoneよりも後発なので、
iPhoneは既に女性や若年層にも広がっているけど、
Androidはまだこれから、ということだと思います。

1年ちょっと前のiPhoneユーザーの属性と
今のAndroidユーザーの属性がよく似ている気がします。
(つまりEarly Adopterの属性?)

そして、1年後(いや半年後かも)には、
Androidユーザーの属性も大きく変わると思います。


プリウス、スウェーデンでのプロモーション事例

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このプロモーションは素晴らしいと思います。

プリウスのUSPとコンセプトが合致しているかは微妙とは言え、
ユーザーの「燃費向上」マインドをかき立てることは
プリウスにとってプラスなわけで、
結果として「プリウスならもっと燃費良くなるのかな」
と思わせたら勝ちですね。

iPhoneアプリのアイデアとしても秀逸だと思うし、
それを格としてリアルプロモーションでの話題喚起や
ソーシャルメディアでの情報拡散、エンゲージメントの醸成が
うまくデザインされていると思います。


2011年2月2日水曜日

プレゼンテーションに関する意識調査

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常盤薬品工業株式会社が
広告・IT系業で働く男女400名を対象に、
「プレゼンテーションに関する意識調査」を実施。
http://www.tokiwayakuhin.co.jp/news/2011/02/post20110201.htm


それによると、
プレゼン準備は3日以下が6割にも関わらず、
前日は8割近くが5時間以上の睡眠










前日に5時間以上寝れて3日以下でできちゃうプレゼンって
プレゼンって言うのでしょうか。。

もしや、Web広告のエクセルのプラン表と
媒体資料を持って行って説明するのも
「プレゼン」なのでしょうか。。

まぁ「プレゼン」の定義は曖昧ですね。

その調査によれば、
「参考にしたことがあるプレゼン本TOP3」は
下記の通り。


スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
カーマイン・ガロ
日経BP社
売り上げランキング: 46
プレゼンテーションの極意
川崎 和男
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 65516
5日で身につく「伝える技術」 ビジネスで成功するプレゼンテーションの奥義
西野 浩輝
東洋経済新報社
売り上げランキング: 49325


プレゼンがうまくできるように勉強しなくては!

ちなみに、この調査は、
常盤薬品の商品『眠眠打破』の認知拡大を意図した
「調査PR」のようです。

たぶんですが、意図した形でメディア露出はしていような気がします。
「調査PR」ってうまくいくといいけど、
結構難しい手法だと思います。


2011年2月1日火曜日

電通が発表したソーシャルメディア時代の生活者消費行動モデル「SIPS」

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「明日の広告」の著者、佐藤尚之さんがリーダーを務めるユニットから
発表されたソーシャルメディア時代の生活者消費行動モデル「SIPS」です。

AISASに変わるモデルということだと思います。
でも直観的にですが、なんとなく、
広告主からは受け入れられないような気もします。
なぜなら、「消費行動モデル」と言いながら、
「消費行動」、すなわちAction(購買)という部分がないからです。

Participateの中にAction(購買)も含まれるようですが、
購買につながらないParticipate(参加)も多くある気がします。
どうしたら「Action(購買)」につながるのか、それが重要だと思います。

ただ、「AttentionからSympathizeへ」という概念は、
非常に共感できます。

また、Participateに関しても、下記の図は非常に重要だと思います。

いかにブランドのエバンジェリストを作るか。
これに成功すれば、広告費なんて大幅に削減できるかもしれません。
(広告会社としてそれは困りますが・・・)

ただAISASもそうですが、
すべての商品に当てはまるわけではありません。

そのあたりは、
山本直人さんの『「買う気」の法則』が非常に参考になります。