2011年3月31日木曜日

Googleの新機能、「+1」(プラス・ワン)が広告会社に与える影響を考えてみる。

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Googleが「+1」(プラスワン)という、
新しい機能をロンチしました。
(まずは英語圏から)
一言で言うと、
Facebookの「いいね!」です。






詳しくは、上の動画、
及び、下の記事をご参照下さい。

▼+1―Google、「いいね!」に対抗して本格的ソーシャル検索機能をローンチ
http://jp.techcrunch.com/archives/20110330google-plus-one/


▼Googleの「Like」ボタン?「+1」ボタンが登場したようですね・・・

http://www.ideaxidea.com/archives/2011/03/google_plus_one.html


GoogleのFacebookに対する
明確な対抗心が見て取れます。

おそらく、「+1」ボタンが、
検索結果画面だけでなく、
Facebookの「いいね!」のように、
たくさんのサイト上でも見られるようになれば、
それなりの影響力は出てくるのではないでしょうか。

Googleは、
Facebookのような「ソーシャルネットワーク」ではないので、
Facebookの「いいね!」のように、
友達と「シェア」するという力は弱いと思いますが、
「+1」のスコアが検索結果画面に表示されるということは、
SEO的に与える影響が大きいと思います。

実は、現在も似たような現象は
一部で起きています。

それは、
はてなブックマークのChrome用の拡張機能ですが、
この拡張機能を入れたChromeで検索をすると
下のキャプチャのように検索結果が表示されます。























各サイトのタイトルの横に赤字で表示されている
「●●● users」というのが、
そのページがはてなブックマークで、
ブックマークされている数を表しています。

そして、よくあることなのですが、
検索順位で上位のサイトが、
必ずしも、はてブのブックマーク数が多い
とは限りません。

そのような場合は、
検索順位が上のサイトよりも、
ブックマーク数がより多いサイトをクリックしてしまいます。

これと同じような現象が、
Googleの「+1」が普及したら起こるのではないかと思います。

そう考えると、SEO会社に与える影響は大きいかもしれません。

じゃあ、広告会社に与える影響は?
という話ですが、
広告会社にとって注目すべきなのは、
SEO的な話よりも、
Googleのリスティング広告「AdWord」にも
この「+1」が表示されるということです。

結局それは、
Facebookで、Facebook内の広告にも「いいね!」をクリックできることと同じですが、
Googleも同様の機能を実装することで、
一気に「広告のソーシャル化」、
ソーシャル広告」への流れが加速するということです。


Yahoo!やmixiなどの国内メガサイトも
この「ソーシャル広告」の流れに追随することになると思います。


個人的にはそういう視点で、
この「+1」には注目したいと思います。







2011年3月30日水曜日

リアル⇒ソーシャルメディア⇒クチコミという流れを作る3つの事例

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まず一つ目は、昨日Twitterでもツイートしましたが、
ペットフードメーカー「GranataPet」の事例です。




OOH(看板)が起点になっていて、
その看板の前で、
foursquareのチェックインをすると、
無料のペットフードが出てくるという仕組みです。


二つ目は、
ライブドアの位置情報共有サービス「ロケタッチ」
(foursquareの日本版みたいなもの)と
「大阪王将」のコラボキャンペーンです。

http://tou.ch/cp/osaka-ohsho/

















大阪王将の店舗で、
ロケタッチを使って写真付きで
「タッチ(foursquareでいうチェックイン)」すると、
抽選で餃子が当たるという仕組みです。



最後は、「Topguest」というサービスです。

http://www.topguest.com/






















Topguestは航空会社やホテルなどと提携していて、
それらの施設で、
「Instagram(iPhone用の写真共有アプリ)」を使って
写真を撮って投稿すると、
その施設のポイントがもらえるというものです。

詳しくは、こちら。
http://jp.techcrunch.com/archives/20110327topguest-instagram/

3つとも、
基本的な仕組みは似ています。

リアルな場で、何らかのインセンティブを与えることにより、
その場でソーシャルメディア上に情報をアップロードしてもらい、
それを見たその友達やフォロワーに対して、
認知獲得や興味喚起を図る、というものです。

これまで、
同様の考え方をもとにした、
Web上でのTwitterキャンペーンみたいなものは多くありましたが、
今後は、Web上だけでなく、
リアルに広がっていくのだろうと思いました。



2011年3月29日火曜日

震災の先にあるもの。逆ラチェット効果が起こると予想してみる。

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ラチェット効果」という言葉があります。

ラチェットとは、「歯止め」のことで、
ラチェット効果とは、
我々消費者が、自分の可処分所得が減っても、
そこまで消費を減らさない
(生活水準を下げれない)現象のことです。

一般的に、
景気後退期において、
このラチェット効果が、
景気を下支えすると言われていました。

しかし、周知の通り、
このラチェット効果が効かなくなってきています。

さらに、今後、
景気が回復したとしても、
逆ラチェット効果」が働き、
消費者は、かつて程、消費を増やさないのではないか、
とも考えられています。

個人的な予想として、この現象は、
広告業界でも、広告主の間で起こるのではないかと
危惧しています。
広告主の業績が回復したとしても
かつて程、広告費を使わないのではないかと。。

話を震災に移すと、
これから日本が復興の道を歩んでいく中で、
経済的に、この逆ラチェット効果が起きてしまうと、
日本は本当に苦しい状況に陥ってしまいます。

そうならないためにも、
官民が一体となった様々な施策が必要になると思います。

そんな中、
いい意味での「逆ラチェット効果」も起こるのではないか、
と希望も込めて、考えています。

今、日本人は、かつてないほど、
「節電」に対して真剣に取り組んでいます。
電気の供給量が足りないからそうせざるを得ないわけですが、
それぞれが、必死に、どうしたら節電になるのかを考えています。

まだ先は見えていませんが、
いつか必ず、電気の供給量が震災前のレベルにまで
回復する時がくると思います。
その時までに、すっかり節電が当たり前のものになって、
逆ラチェット効果により、
供給量が上がったからといって、
無駄に電気を消費しない生活を送れたらいいなと思います。



2011年3月26日土曜日

≪書評≫費用対効果が見える広告

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費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて
後藤 一喜
翔泳社
売り上げランキング: 41953




2年くらい前の本ですが、
アマゾンでちょっと気になったので
読んでみました。

タイトルの「費用対効果」という言葉から
広告の効果測定に焦点を当てた本かと思ったのですが、
実際は、かなり実践的な、
レスポンス広告の本でした。

内容を考えると、
タイトルとサブタイトルを
反対にした方がしっくりきますが、
その辺も、「レスポンス」を意識して、
あえてそうしたのかな、と勝手に思ってます。

想像した内容とは少し違いましたが、
とても勉強になる本でした。

この本の中では、
「レスポンス広告」と
「他の一般広告」を
明確に異なるもとして考えられています。

レスポンス広告の正体は実は広告ではなく販売であり、小売の一形態なのです。

この本を読んで印象に残ったのは、
ダイレクト・マーケティングの父と呼ばれている
レスター・ワンダーマン氏の教えとして
紹介されている下記の言葉です。

Acquire with intent to keep!  あらかじめ維持管理することを念頭において(その価値のある客だけを)獲得せよ!
Retain with intent to profit!  あらかじめ収益を上げることを念頭において維持管理せよ(顧客理解や顧客満足はそのための手段に過ぎない)!

レスポンス広告の仕事だけをしていると、
「Acquire」、つまり、
コンバージョン(資料請求など)数と
コンバージョン単価(CPA)だけに固執する結果、
プレゼントキャンペーンをやって、
短期的にコンバージョンを稼ぐ施策を行ったりしますが、
結局そういう顧客は、「keep(維持)」できなかったりします。

プレゼントキャンペーンを一概に否定するつもりは
全くありませんが、
「Acquire with intent to keep!」
というのは忘れないようにしたいです。

レスポンス広告に関わる人、
特に、ずっと「一般広告」をやってて、
急に「レスポンス広告」をやることになった人には、
お勧めの本です。

Twitterユーザーの影響力を数値化できるKloutスコアと便利なChrome拡張機能

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今さらな記事かもしれませんが、
Twitterユーザーの影響力を、
簡単に数値化してくれるKloutスコアの紹介です。

使い方は、簡単で、
下記URLにアクセスして、
調べたいTwitterユーザーのアカウントを入力するだけです

http://klout.com/






















各数値の意味や細かい説明は、
「Kloutスコア」で検索すればたくさん出てくるので
ここでは省略します。

ただ、追加で紹介したいのが、
そのKloutスコアのGoogle Chrome用拡張機能です。

こちらからインストールできます。
https://chrome.google.com/extensions/detail/jjaakbhpcbpmojkhpiaacepfcaniglak?hl=ja

これをインストールして
Twitterを閲覧すると、
下の画像のように、
アカウント名の横にその人のKloutスコアが
表示されます。

















それにしても自分のKloutスコアは低い。。

2011年3月25日金曜日

Facebookの「ハイライト」と「最新情報」の違い。EdgeRank(エッジランク)とは?

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Facebookのニュースフィードにある2つのタブ、
「ハイライト」と「最新情報」の違いについてです。

ずっと調べようと思ってて忘れてましたが、
ようやく理解しました。

「最新情報」というのは、
その名の通り、
最新のものから順に表示されるのですが、
ずっと「ハイライト」って何だろうと思ってました。

なんとなく、
自分に興味ありそうなものを
表示しているのだろうなぁとは思っていましたが。

調べてみると、
ハイライトの場合は、
「EdgeRank(エッジランク)」が高いものから
表示されているそうです。

EdgeRankというのは、
GoogleでいうPageRankのようなものですが、
基本的に以下の3つの要素で決まるそうです。

 ①その記事を投稿した人と自分の親密度
  ⇒コメントやメッセージのやりとりがあるかとか、
   共通の友達が多いか等だと思います
 ②その記事の評価
  ⇒コメントの数や「いいね!」の数など
 ③その記事が投稿された時間
  ⇒新しいものほど表示されやすい

この①~③を総合的に、
独自のアルゴリズムで計算し、
EdgeRankを算出しているようです。

つまり、
自分がFacebook上でよく交流している人が
最近投稿した記事で、
コメントや「いいね!」が多い記事ほど
上に表示される、ということですね。

初めはいつも「最新情報」をクリックしていましたが、
最近は「ハイライト」でも気にならなくなりました。

詳細は、下記をご参照下さい。
http://jp.techcrunch.com/archives/20100422facebook-edgerank/

2011年3月17日木曜日

≪書評≫コトラーのマーケティング3.0

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コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
フィリップ・コトラー ヘルマワン・カルタジャヤ イワン・セティアワン
朝日新聞出版
売り上げランキング: 2441


この本も読んでおくべき本だと思います。

まず、マーケティング3.0とは何かについては、
下記を引用します。

過去六十年の間に、マーケティングは製品中心の考え方(マーケティング1.0)から消費者中心の考え方(マーケティング2.0)に移行してきた。(中略)企業は製品から消費者に、さらには人類全体の問題へと関心を広げてきている。マーケティング3.0とは、企業が消費者中心の考え方から人間中心の考え方に移行し、収益性と企業の社会的責任がうまく両立する段階である。

正直、マーケティング2.0の話だけでも
読む価値のある本になりそうですが、
そこを一気に3.0の話にしているところは
さすが「コトラー先生」という感じです。

マーケティング1.0とは、
つまり製品中心の考え方で、
マーケティングモデルとしては、
4P(Product, Price, place, promotion)がそれにあたり、
この本では「戦術的」と表現されています。

マーケティング2.0とは、
つまり顧客中心の考え方で、
マーケティングモデルとしては、
STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)
がそれにあたります。
この本では「戦略的」と表現されています。

そして、それがマーケティング3.0として
どう進化するのかがこの本には書かれています。

この本の中に、
3iモデル」と呼ばれるものが出てきます。
3iモデルとは、
brand identity, brand integrity, brand imageで
構成されています。
インテグリティ(integrity)は、
「完全性」と訳されています。

マーケティングの最終形態は、アイデンティティ、インテグリティ、イメージの三つがうまくバランスのとれたものになる。マーケティングとは、ブランドのユニークなアイデンティティを明確化し、本物のインテグリティで強化して、強力なイメージを築くことなのだ。

さらに著者は、
普通でないビジネス(創造)
人びとを感動させるストーリー(普及)
消費者エンパワーメント(実現)
の3つが重要だと主張しています。

現代において「普通でないビジネス」を創造することは
かなり難しいことだと思いますが、
「人びとを感動させるストーリー」を考え、
消費者エンパワーメント、
つまり、消費者に力を与えること(消費者の参加)を
どうやって実現するかを考えることが、
私たち広告会社の役割だと理解しました。

ストーリーの重要性は、
いろんな本でも書かれていますが、
最後にもう一つ引用します。

高名な脚本家、ロバート・マッキーによれば、人びとを納得させるには二つの方法がある。ひとつは事実や数字に基づいて考えをまとめ、人びとを知的な論議に引き込むこと。もうひとつは、それらの考えを軸に感動的なストーリーをつくって人びとの感情をつかむことで、二つ目のほうがはるかに効果的だとマッキーは言う。

ドッグイヤーは本の前半にかたまりましたが、
読んでおくべき本だと思います。

≪書評≫電通とリクルート 山本直人

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電通とリクルート (新潮新書)
山本 直人
新潮社
売り上げランキング: 56636



「買う気」の法則』の著者、
山本直人さんの新刊です。

テレビや新聞などのマス・メディアを媒介とした広告は、いわば「発散志向広告」といえる。一方で、検索連動型広告などは「収束志向広告」と捉えることができる。(中略)前者の「発散志向広告」の仕組みを築きリードしてきた企業が電通であり、後者の「収束志向広告」のパイオニアがリクルートなのである。(「はじめに」より) 

電通とリクルートを
対比的に描きつつも、
両者の共通点も見出しながら、
私たち生活者の欲求、欲望が
時代とともにどう変化し、
その時代ごとに、
どのような情報、あるいは広告が求められたのかが、
時代背景や生活者のインサイトとともに
わかりやすくまとめられています。

個人的には、少し欲を言うと、
もう少し、それらの歴史背景を踏まえた将来の展望を
著者なりの視点で論じて欲しかった
という気はします。

ただ、私もそうですが、
広告会社で働く20代の人にとっては、
かつて、広告が果たしていた役割とは何なのか、
なぜそのような役割が求められていたのか、
それがなぜ現代のような役割に変わったのか、
ということは、
知っていて損はないと思いました。

日本赤十字社に義援金を送る方法:5分で出来ます!

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義援金を送りたいけど、
どこに送ったらいいのかわからなかったり、
どうやったらいいのかわからなかったりして、
迷っている方は、とりあえず、
日本赤十字社に送ればいいと思います。

5分で出来ます。

日本赤十字社のサイトにアクセスすると、
トップページの「!重要なお知らせ」のところから、
東北関東大震災の義援金受付ページに行けます。






















クレジットカードで払うのが、
手早くて簡単です。

をクリックしたら、クレジットカードを選択して、
あとは必要事項を記入して決済するだけです。

今のところ、私たちにできることは、
義援金を送ること、
節電すること(特に東日本の方)、
そして、買いだめをしないことだと思います。


2011年3月16日水曜日

Twitterに感謝

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地震から5日が経ちました。

この間、いろんなことがありました。
そしてまだ予断を許さない状況です。

そんな中、改めて感じているのが、
Twitterの有益性です。

地震が起きた後、
みんなの安否が気になる中、
家族や知人に自分は無事であることを伝えたいと思いましたが、
電話もメールもできない状態でした。

そんな中、Twitterで「無事です」とつぶやくことはできました。
僕のツイートは、Facebook、mixiにも転載されるように
設定しているので、
一度に多くの人に伝えることができたと思います。
と同時に、
実家の両親にもTwitterを教えておくべきだったとも思いました。

それから電車が動かなくなり帰宅が困難になった時、
どこの電車が動きだしたとか、
どの線はまだ混み合っていないなどの情報は
Twitterで得ることができました。

地震や原発に関する情報は
主にTVやワンセグやUstreamで得ていますが、
同時にTwitterでも常時情報収集をしています。

正直、今Twitterを使っている人と
そうではない人では情報に格差があると思います。

すでにフォローしていた人のRTをきっかけに
地震後、新たにフォローを始めた人もいます。
逆にアンフォローした人もいます。

佐々木俊尚さんが「キュレーションの時代」で言っていた、
他者の視座にチェックインする」という意味が
よくわかった気がします。

また、Twitterでは今、
約120人くらいをフォローしていますが、
みんなが「自分にできるかとはなんだろう」を考えていて、
日本が一つになっていることを実感できます。
映画「サマーウォーズ」の世界に
非常に近い感覚をうけました。

日経電子版にも
Twitterで災害情報を素早く探すテクニック
という記事がUPされました。

Twitterには本当に感謝しています。

ただし、故意ではなくても、
事実と異なる情報が流れたり、
必要以上に不安を煽るようなツイートもあります。
くれぐれも情報の見極めと、
フォローするべき人の選別は行って下さい。

2011年3月7日月曜日

高広伯彦さん(@mediologic)の話のまとめ/「広告のガラパゴス化」「4 types of media」など

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今日、インフォバーン主催のセミナー、
「Facebookで切り拓くデジタルコミュニケーション戦略」
に参加して来ました。

そこで、インフォバーンの小林弘人さんと対談という形で、
スケダチの高広伯彦さんの話を聞けたのですが、
とても勉強になったので、要点だけまとめておきます。
(私の理解の範囲なので正しくない部分もあるかもしれません)

特に印象に残った話は3つです。


①Facebookはセミオープン

mixiとTwitterとFacebookの違いについての話ですが、
mixiはクローズド、
Twitterはオープン、
Facebookはセミオープン(ほどよい社交性)、
という表現をされていました。

かなり納得です。
FacebookもTwitterと同様に「オープン」だと思われがちで、
それゆえに、実名制が懸念されたりしますが、
Facebookは極めてクローズドに使うこともできます。

オープンだからいい、
クローズドだからダメだということではないわけですね。
そういう意味では、
Facebookの「ほどよい社交性」は、
ちょうど良いのかもしれません。

この辺りの話は、
最後の方に話をされていた「可視化と不可視化」
話にもつながると思います。

可視化される(オープンになる)ことはいいことですが、
不可視化(≒デマーケティング)という戦略もあるのだと感じました。



②Facebookが日本でも普及しないと
 広告のガラパゴス化が起こる

広告会社の社員で、
「これからはFacebookが来ますよ」
と言っている人でも、
Facebookの「ソーシャル広告」が何なのか、
どういう「メニュー」があるのかを、
ちゃんと知っている人は実はまだ少ないかもしれません。

「ソーシャル広告」の詳しい説明はここでは省略しますが、
日本でFacebookが普及しないとなると、
世界各国で、このソーシャル広告という手法が普及して行く中で、
日本ではそれが普及することなく、
広告のガラパゴス化が起こってしまうという話です。

そういう理由で、高広さんは、
「Facebookは日本で普及しないとまずい」と主張しています。

確かに、ソーシャル広告は、
これまでの広告のあり方を大きく変えるかもしれないので、
私も「Facebookは日本で普及しないとまずい派」に賛同します!


③トリプルメディアではなく「4 types of media」

Owned Media、Paid Media、Earned Mediaの
トリプルメディアではなく、
Owned Media、Paid Media、Earned Media、User-initiative Mediaの
「4 types of media」の考え方の説明がありました。

User-Initiative Media(ユーザー主導型メディア)とは、
「ユーザーが主導権を持っているメディア」のことで、
ここでは、企業も1ユーザーということになります。
mixiなどのコミュニティや、
FacebookやTwitter上でのユーザー同士の交流などが
それに当たると思います。

通常のトリプルメディアの考え方では、
この部分もソーシャルメディアという括りで、
Earned Mediaに位置づけられるものですが、
前々から「Earned Media=ソーシャルメディア」という
捉え方には若干の違和感を感じていたので、
この「4 types of media」の考え方で非常にすっきりしました。

ちなみに、この場合の「Earned Media」は、
「PRや評判などの結果獲得したメディア」のことで、
「コントロールすることは難しいが、働きかけはできる」
というものになります。

そして、Facebookは、
この「4 types of media」の全ての要素を持っている、
という話でした。


こんなにためになるセミナーが無料だなんて、
インフォバーンさんには感謝です。

そして、上記のような話を詳しく解説した高広さんの本が
3/25に発売されるそうなので、非常に楽しみです。

2011年3月6日日曜日

≪書評≫イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」

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イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」
安宅和人
英治出版
売り上げランキング: 90

良書です。

この本に書かれていることを一言で要約すると、
タイトルの通りですが、
「知的な生産性を高めるためには、
イシューの見極めからはじめることが重要だ」
ということです。

この本では、イシューとは、
「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」で、
「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」
のことと定義されています。

この本を読んで一番印象に残ったのは、
「バリューのある仕事とは何か」ということに対する
著者の主張です。

本の中では、
「バリューのマトリクス」として
図で示されているのですが、
バリューのある仕事とは、
「イシュー度が高い」もので、
「解の質が高い」もののことです。

下記、引用します。

僕の考える「イシュー度」とは「自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ」、そして「解の質」とは「そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い」となる。≪中略≫この「イシュー度」こそが大切だ。なぜなら、「イシュー度の低い仕事はどんなにそれに対する「解の質」が高かろうと、受益者(顧客・クライアント・評価者)から見たときの価値はゼロに等しいからだ。

僕もそうですが、
多くのひとは、「解の質」、
つまり与えられた問題・課題に対して、
いかに質の高い解を見つけ出せるか、
を最重要視していると思いますが、
本当に重要なのは、
「解を出すべき問題を見極める」
ということです。

つまり、「何に答えを出す必要があるのか」という議論からはじめ、「そのためには何を明らかにする必要があるのか」という流れで分析を設計していく。

その上で仮説が重要だという話や、
分析とは何か、という話など、
とても勉強になりました。

著者の安宅さんは、
マッキンゼー出身だそうですが、
コンサル系の人の本は、
本当に良書が多い気がします。

2011年3月4日金曜日

フリスク マスカットミント:「さわやかすぎる通勤」キャンペーンの狙いは?

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「さわやかすぎる通勤」キャンペーン |フリスク マスカットミント
http://www.frisk-muscatmint.jp/
















ちょっと斬新なTwitterキャンペーンです。

「フリスク」という単語が入ったツイートをすると、
抽選で「さわやかすぎる通勤」が当たるというもの。

これだけ見るとありがちですが、
(「さわやかすぎる通勤」というインセンティブはありがちじゃないですが)
普通、こういったキャンペーンの場合、
応募条件として、
公式アカウントのフォローが条件だったり、
ツイートの中にキャンペーン用ハッシュタグや
キャンペーンサイトの短縮URLが入っていることが
条件だったりするのですが、
そんなの必要なく、
「フリスク」という単語が入っているツイートをした人は
みんなキャンペーン応募者になるそうです。

それじゃあツイートを見た人のキャンペーン認知に
つながらないんじゃないだろうかって思ったのですが、
でもそうすることで、「いかにもキャンペーン用のツイート」
っていういやらしさが消えるっていう効果もあるような気がします

それでもやっぱり、企業の狙いとしては、
キャンペーン告知広告以外に、
クチコミとして、ソーシャルメディア上で、
このキャンペーンを通じた新商品の認知拡大を狙っているはずです

ここからは個人的な邪推ですが、
たぶん、当選者は、フォロワーがかなり多いユーザーになる気がします。
そしてそのユーザーが、
「フリスクのさわやかすぎる通勤最高だった!」って
つぶやくのを期待しているはず。

邪推ですが。

ん、、違うかも。。
下記、たぶんほとんどの人が見ていないであろう、
参加規約の注意事項。

・各媒体による取材にご対応いただき、その模様がご当選者様や同乗者様の写真とともに各媒体の記事としてご紹介される場合がございます。

なるほど、キャンペーン後のPR露出が狙いか?!