2011年6月26日日曜日

NPSは日本でも使える指標か?(『顧客ロイヤルティを知る究極の質問』を読んで)

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顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」 (HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)
フレッド・ライクヘルド 鈴木 泰雄 堀 新太郎
ランダムハウス講談社
売り上げランキング: 96859


先日
ロイヤルティリーダーに学ぶ ソーシャルメディア戦略」という本を読んで、
NPSという効果指標に興味を持ちました。

NPSを簡単に説明すると、

顧客に、
「●●●を友人や同僚にすすめる可能性は、どのくらいありますか」
という質問をして、
0から10までの11段階のスケールで解答してもらい、
10~9:推奨者(Promoter)
8~7:中立者(Passive)
6~0:批判者(Detractor)
という3つに分類します。

この「推奨者」が占める%比率から、
「批判者」が占める%比率を差し引いた%数値が
「NPS」と呼ばれるものです。

詳しくは、こちらをご参照ください。


そして、このNPSについてもっと詳しく知りたいと思い、
NPSを提唱した本人の著書である、
この本を読んだわけです。

この本には、
監訳者のコラムも各章の最後に載っているのですが、
この本を読んで感じたのは、
「NPSはそのまま日本でも使える指標か?」
という疑問です。

最初にNPSを知った時から、
自分自身も、
6点以下を「批判者」とする分類方法に、
若干の違和感を感じていたのですが、
この本を読んで、その違和感の意味がわかりました。

顧客が評価尺度の意味を直観的に理解できる。
これはおそらく、学校での成績評価を
体験しているおかげだろう。
顧客は10点と9点がAとAマイナスに、
8点と7点はBとCという普通の成績に、
6点以下は落第に対応していることをすぐに理解できる。

この本にはそう書かれあります。
僕も知らなかったのですが、
アメリカの学校では「6点以下は落第」、
という評価方法が一般的とのことです。

一般的に、日本人にはこの感覚がないので、
普通に考えれば、「5点が標準」だととらえてしまいます。

実際、日本で行われた調査では、
米国よりもNPSのスコアが低くなる傾向があったそうです。

確かに、日本でNPSを行う場合、
何点までを「推奨者」とするのか、
何点からを「批判者」とするのか、
という議論は必要かもしれませんが、
NPSの本質はそこではないと思っています。

その本質を語り出すとかなり長くなってしまうので避けますが、
興味のある方は、この本か、
ロイヤルティリーダーに学ぶ ソーシャルメディア戦略
を読んでみて下さい。

NPSを日本で活用するためには、
多少のアジャストが必要かもしれませんが、
日本で行われた調査でも、
NPSと売上高成長率の間には相関がみられており、
日本でも有効な指標として活用できることは確認されています。

アメリカでは多くのグローバルカンパニーで採用されている
このNPSという指標が、日本の企業においても、
普及する可能性は決して少なくないと思います。


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2011年6月18日土曜日

論理的な提案のコツとは?(『ロジカル・プレゼンテーション』を読んで)

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ロジカル・プレゼンテーション
という本を読みました。

広告マンにとっては必須の
「提案の技術」について書かれた本で、
「論理思考力」から「仮説検証力」、
「会議設計力」、「資料作成力」まで、
ストーリーを交えながらわかりやすく解説されています。

かなり、良書で、
すぐに実践できる学びが多い本だと思います。


まず、そもそも、
「ロジカル(論理的)」とはどういうことなのでしょうか。
よく聞く(あるいは使う)言葉ですが、
ちゃんと説明しようと思うと難しいかもしれません。

この本の著者によれば、
縦と横が全部「ちゃんと」つながった状態が、
「論理的な」状態なのである。
とのことです。

縦に論理がつながった状態というのは、
誰から見ても因果関係が理解できる状態」です。

横に論理がつながった状態というのは、
誰から見ても全体がカバーされていて、
漏れもダブりもない状態」のことです。
これは、いわゆる「MECE(ミーシー)」ですね。

僕が、さらに「なるほどなぁ!」と思ったのは、
次の箇所です。

ここで重要なことは、
相手の話に納得しない場合の人の反応は
二種類しかないことである。
●「本当にそうなの?」
●「それだけなの?」

つまり、
「縦」と「横」が
ちゃんとつながっているのか?
ということです。

ということは、
論理的な企画書を書くときのコツは、
実にシンプルで、
企画書を書きながら、
「(A、なぜならばBは)本当にそうなの?」
「それだけなの?(漏れやダブりはないの?)」
を繰り返し自問自答する、
ということだと感じました。

さらに、企画書をまとめていくプロセスについて、
簡潔にまとめられている箇所を引用します。

提案を行っていくうえでは、
まず目的が何なのかという部分から話を始め、
議論のポイントである論点、
その論点に対する自分なりの答えである仮説、
その仮説を裏づける検証、
そしてそこから読みとった意味合いとしての示唆で締め括る。

これだけでもかなり参考になりますが、
本書を読めば、それぞれのステップの意義やポイントを
より深く学ぶことができます。

広告(コミュニケーション)の提案では、
上記のプロセスに続く、
「企画や表現の具体案」も重要ですが、
いわゆる「前段」にあたるこの部分も、
具体案に説得力を与えるためには、
非常に重要だと思います。

本書では、他にも学ぶ箇所が多く、
『提案は具体的な話で締め括る』とか
『考える労力はこちらで受け持つ』とか
『相手が「読む人」なのか「聞く人」なのかを見きわめる』とか
『一目で理解でき、そして誰にも誤解されない資料を作る』とか
提案を行う上で、心がけるべきポイントや、
すぐに実践できる技術などが多く紹介されています。

論理思考力とか提案技術に関しては、
今のうちにもっと勉強しておこうという
気持ちになりました。
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2011年6月17日金曜日

FacebookにもTwitterにも無い、mixiの魅力とは?

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先日、
mixiのソーシャル広告は想像以上に秀逸だった
というブログ記事を書きましたが、
今日、日経新聞電子版で、
こんな記事を見つけました。

岐路に立つ日本のソーシャルメディア陣営 ソーシャルパワーが企業を変える(4)

これによると、
mixiの笠原社長曰く、
当社はFacebookを見ながら戦略を立てているわけではない。
とのこと。

さらに、
Facebookとは根本思想が違う
mixiは顔見知りと濃密なコミュニケーションを取るための基盤を目指している
とのことです。

笠原社長の中でFacebookは、
「顔見知りと濃密なコミュニケーションを取るための基盤」
ではない、ということなのでしょうか。

Facebookで知らない人からのフレンド申請を承認するとアカウントをハックされる可能性が上がるそうです
という記事があったように、
Facebookも実際のリアルな友達(=顔見知り)と
繋がることが原則だと思います。

どちらかというと、
「顔見知りと濃密なコミュニケーションを取るための基盤」
の対極にいるのは、
「顔も知らない人と気軽なコミュニケーションを楽しめる」
Twitterのような気がします。

個人的には、
FacebookにもTwitterにも無いmixiの魅力を挙げるとすると、
「コミュニティ」での「見知らぬ」ユーザー同士が
共通の興味関心事をテーマに交わすコミュニケーション
だと思っています。

僕の場合はプロ野球が好きなので
好きなチームのコミュニティをよく見ていますが、
むしろ最近はそのためだけにmixiを使っている気もします。

FacebookのFacebookページは、
まだどちらかというと
ページのオーナーとファンの間でのコミュニケーションがメインで、
ユーザー(ファン)同士のコミュニケーションは
少ないように思えます。
(そういうページを知らないだけかもしれませんが)

Facebookは「実名制」であるがゆえに、
なかなか実名では自分の意見を言い合いにくい雰囲気があるのに対し、
mixiは「実名制」ではないので、
時には熱い議論も活発に行われています。
(それが楽しかったりもします)
かといって完全に匿名ではないので、
2ちゃんねるのように荒れることも少ないと思います。

なので僕の中でmixiは、
「顔見知りと濃密なコミュニケーションを取るための基盤」
ではなく、
見知らぬ人と濃密なコミュニケーションを取るための基盤
だったりします。

Twitterにしても、
ハッシュタグを使って、
同じテーマについて語っている人の
ツイートを見ることはでき、
リプライなどでコミュニケーションをとることはできますが、
基本は「つぶやき(≒独り言)」で、
TLを流れていくのが前提なので、
そこからコミュニケーションは発生しにくいように感じます。
(もちろん発生することもありますが)

昨日、
<Twitter最新動向のまとめ> ここのところTwitterの勢いが凄まじい
というブログ記事を書きましたが、
mixiについても、今後どうなっていくのか、注目したいと思います。
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2011年6月16日木曜日

<Twitter最新動向のまとめ> ここのところTwitterの勢いが凄まじい

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最近(特に今月に入って)、
Twitterが大きなニュースを連発していて、
その勢いにかなり注目しています。

ソフトバンク携帯にTwitterアプリ標準搭載 (2010.05.18)
ソフトバンクモバイル2010年夏モデルのほぼ全機種に、
Twitterアプリをプレインストールすることを発表。

ドコモとの連携を発表 (2011.05.17)
Twitterのツイートがiモードの検索結果に表示されるようになる。
Twitterアプリのプレインストールや「タッチ&フォロー機能」の提供も予定。

独自の写真共有サービスの提供を発表 (2011.06.02)
Twitpicなどの外部サービスを使わずに、ユーザーがツイートとともに直接
写真を投稿することが可能になる。フィーチャーフォンにも対応予定。

iPhone等のiOS5にTwitter機能を内蔵 (2011.06.07)
Twitterアカウントに一度ログインすると、カメラ、Safari、YouTube、地図
といったApple社のアプリからでも一回のタップでツイートすることが可能に。

Yahoo! JAPANとの戦略提携を発表 (2011.06.14)
Twitterのツイートが、Yahoo! JAPANの様々なサービスに織り込まれる予定。
まずはツイートが検索結果に表示される「リアルタイム検索」を公開。


携帯キャリアとの連携や
主要Webメディアとの連携が進むにつれて、
Twitterはより身近な存在になり
ユーザー数の伸びにも追い風になってくると思います。

また、TwitterはFacebookと違って
厳しいプロモーションガイドラインがないので
企業もキャンペーンなどでかなり積極的に活用しており、
そういったこともユーザーの増加に拍車をかける気がします。

ここ一年の推移を見ても、
ユーザー数の伸びは顕著です。



こちらは、
ITmedia オルタナティブ・ブログ 『In the looop』で紹介されたもので、
一般家庭および職場の「PCユーザーのみ」の
Twitter、mixi、Facebookの訪問者数の推移ですが、
Twitterは、ここ1年で約7割の増加を見せています。

初めはある程度この辺りで伸びは落ち着くのかな、
と思っていましたが、
上記のようなニュースを見ると、
Twitterはまだまだ伸びるんじゃないか
という気がしてきました。

ちょうどTwitterを活用した企画を
何件か提案予定なので、
この辺の動きをまとめておこうと思い、
こんな資料を作ってみました。




しばらくは、Twitterの動きに注目です。

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2011年6月12日日曜日

≪読書メモ≫すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術

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すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術
高橋 政史
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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タイトルの通りの本です。

いろんなことを紙一枚にまとめるための
7つのフォーマットが紹介されています。

使えると思うかどうかは人それぞれかもしれません。。

個人的に7つの中で印象に残ったのは、
「1・2・3マップ」と呼ばれるものです。

これは、
・1メッセージ
・2W1H
・3の法則
を利用したもので、
報告や提案をまとめるときに使えます。

まず、
最も言いたいことを
1メッセージ」で書きます。
企画も、一言で魅力的に説明できるか
どうかって重要だと思います。

次に、
2W1H」を「3の法則」を使って
説明します。

What:この提案はどのようなものなのか。要点は3つあります。
Why:なぜこの提案をするのか。理由は3つあります。
How:どうやって実施するのか。方法は3つあります。
という感じです。

「2W1H」は最低限で、
不十分な気もしますが、
「1メッセージ」と「3の法則」は、
気をつけたいポイントだと思います。


実は、この本の中で、
一番心に残っているのは、
第1章の中表紙で引用されていた、
マハトマ・ガンジーの言葉です。

  「目的を見つけよ。手段はついてくる」

仕事をしていると、
企画を考える時でも、
何か作業をする時でも、
目的を考えずに手段ばかり考えてしまうことがあります。

目的を考えれば、手段はおのずと決まってくるし、
逆に言うと、目的が達成されるのであれば、
手段は何でもいいはずです。

紙1枚にするのか3枚にするのか、
パワポにするのかエクセルにするのか、
画像を使うのかグラフを使うのか、
マスを使うのかWebを使うのか、
広告なのかPRなのか、
こういう手段は何でも良くて、
何を伝えることが目的か」を考えて、
それが最も伝わると思う手段を選べばいい」のだと思います。

この本の趣旨とは外れてしまいましたが。。
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≪読書メモ≫ロイヤルティリーダーに学ぶソーシャルメディア戦略 ※この本かなり必読です。

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ロイヤルティリーダーに学ぶ ソーシャルメディア戦略
高見 俊介
ファーストプレス
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この本、限りなく必読です。
常に近くにおいておき、
何度も読み返したいと思える本です。

単に「ソーシャルメディア本」というわけではなく、
どちらかというと、現代のマーケティングの
本質についてわかりやすく語られた本という印象です。


この本では、主として、
「既存顧客を対象としたソーシャルメディアの活用戦略」
について書かれています。

理由は2つ。1つは企業収益において既存顧客を維持することの重要性が高まっていること、もう1つは既存顧客による口コミが、新規顧客の獲得に与える影響の度合いが増してきているからだ。

理由についての詳しい解説は、
是非本書を参照して下さい。
かなり説得力がありますし、
ハッとさせられます。

既存顧客を重視するという戦略は、
前にブログにも書いた
ザッポスの戦略(企業理念)にも通じるものがあります。

この本では、タイトルからもわかるとおり、
ロイヤルカスタマーの重要性について、
詳しく書かれています。
「なぜロイヤルカスタマーが重要なのか」、
「ロイヤルカスタマーがもたらす3つの経済的価値」など、
非常に興味深い解説がありますが、
ここでは省略し、
顧客のロイヤルティをどう測るのか
の部分を少し紹介したいと思います。

この本で紹介されているロイヤルティ指標は、
「NPS(Net Promoter Score)」という、
フレッド・ライクヘルドが
顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」
という本の中で提唱した指標です。

このNPSは、
アメリカでは多くのグローバルカンパニーに
導入されている指標で、
長年の研究では、
売上成長率や顧客収益性などの
ファイナンシャル指標とも相関関係があることが
実証されているそうです。

NPSとは、基本的に、
「ブランドXを友人や同僚にすすめる可能性は、どのくらいありますか」
という質問を通じて、
顧客のロイヤルティを測るものです。

回答者は、この質問に対して、
0から10までの11段階のスケールで選択します。

10に近いほど、
勧める可能性が非常に高く、
0に近いほど、
勧める可能性が非常に低い、
という意味です。

その結果に基づいて、
10~9:推奨者(Promoter)
8~7:中立者(Passive)
6~0:批判者(Detractor)
という3つに分類されます。

推奨者が占める%比率から、
批判者が占める%比率を差し引いた%数値が
NPS指標となります。
(批判者の比率の方が多ければスコアは当然マイナスになります)

さらに、本書では、
縦軸に「顧客収益性」、
横軸に「NPS」を置いた、
顧客グリッド」という
セグメンテーションも紹介されています。

これにより顧客は、
「抑留者」「エンジェル候補者」「エンジェル」
「反逆者」「不可知論者」「宣教師」
の6つに分類されます。

それぞれのセグメントにおける
取るべき戦略に関しては、
ここでは省略しますが、
大変勉強になります。

この本には、他にも、
勉強になることがかなり多く詰め込まれています。

・5ステップの「ロイヤルカスタマー育成シナリオ」
・ボリューム×センチメント×インフルエンス=口コミのインパクト
・リテンションとアクイジション(新規顧客の獲得)の関係
・カンバセーションマーケティングの3つのアプローチ
・ソートリーダーシップとソーシャルメディア活用
・口コミの価値の計算方法
・ネットセンチメントという指標
・ファイナンシャル指標⇔ロイヤルティ指標⇔インタラクション指標
などは、かなり必見です。


いろんなことが書かれていますが、
この本の中で最も重要なことは、
ソーシャルメディア活用の目的はロイヤルティの向上
であり、「その効果指標はNPS」ということだと思います。


「顧客ロイヤルティの向上」というのは、
今後、自分の中でかなり重要なテーマに
したいと思いました。


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2011年6月5日日曜日

≪読書メモ≫独自性の発見 ジャック・トラウト

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独自性の発見
独自性の発見
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ジャック・トラウト Jack Trout スティーブ・リヴキン Steve Rivkin
海と月社
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いま求められているのはUSP、つまり、「独自の売り」である。

これが、この本のメインとなる主張です。

邦題は「独自性の発見」ですが、
原題は、「Differentiate or Die」。
訳すと、「差別化しなさい。さもなくば、滅びる。

それほど、
「独自性」、「USP」、「差別化」が重要
ということだと思います。

でも、こんな時代に、
「USP」を見つけることは、
非常に難しいことだと思います。
無理に「USP」を作ろうとすると、
メーカー目線だけで、
ユーザーには何のベネフィットも感じない
ただの「違い」にしかならないことがあります。

じゃあどうすればいいのか。。

著者は、
その難しさは認めながらも、
どんなものでも差別化できる
と言います。

やる気さえあれば、
差別化の方法は必ず見つかる
そうです。

やる気の問題か、、と思ってしまいますが、
絶対的な方法論は無いということだと思います。
ただ、この本を読めば、
「USP」を見出すためのヒントを
たくさん学ぶことができます。

さらに、この本の中では、
最近多く見受けられる、
モノを売ろうとしない、感情に訴えるだけの広告(CM)
が酷評されています。
「なぜその商品を買うべきなのか」を
もっと伝えるべきだ、としています。

個人的には、
「独自性が重要」というのは大賛成ですが、
売ろうとするだけの広告(コミュニケーション)だけでは、
今の世の中、うまくいかないような気もしています。

全面的に賛成できるタイプの本じゃないですが、
納得させられることも多いですし、
いろいろ考えさせられる本でした。

これまで、「USP」について、
それが「Unique Selling Proposition
の略であることは知っていましたが、
意味としては、
「Unique Selling Point」くらいに思っていました。

でもこの本を読んで
「Point」か「Proposition」では、
大きく意味が違うということを感じました。

「Point」だと、
機能的な独自の商品特性のように感じられ、
それは、「広告主からのオリエンシートに書かれているもの」
のように思ってしまいます。
それが、「Proposition(主張、提案)」だと認識すれば、
それは、我々広告会社が、
見つけ出す、あるいは、作り出すことができるものでも
あるのだという気がしてきます。

ちょっとハッとした発見でした。


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2011年6月4日土曜日

mixiのソーシャル広告は想像以上に秀逸だった

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ついにmixiが「ソーシャルバナー広告」の
本格導入を開始しました。

第一弾は、
Nikeの『NIKEiD FRIEND STUDIO』です。
http://mixi.jp/pr_nike_id.pl





その参加方法は、こちら。





自分でシューズをカスタマイズでき、
そのシューズが友達のページに、
バナー広告として自分のアイコンとともに表示されます。

さらに、友達が「COOL!」ボタンを
押してくれれば、
そのシューズや海外旅行が当たるチャンス有り。

まず、そもそも、
シューズをカスタマイズするという体験は、
やってみると思ったより楽しいです。
当たるかもと思うと、ちょっと真剣になります。
これがNIKEのブランド体験にもなるのだと思います。

さらにそれがバナー広告となって
友達のページに表示されるというのは、
Facebookのソーシャル広告でも
できないことです。

これは、参加者にとって嬉しいだけでなく、
その広告を見た友達のクリック率も
間違いなく高くなります。

そしてさらに、
友達が協力してくれると
インセンティブのチャンスが広がる、
というのは、(mixiアプリではお馴染みの機能ですが)
クチコミを誘発するシクミになっていると思います。

mixiのソーシャル広告にはいろんな意味で期待していましたが、
アプリとバナー広告をここまで連携できるというのは
Facebookのソーシャル広告にはない強みだと感じました。

今後どう進化していくかかなり注目です。

ただちょっと気になるのは、
Facebookの勢いがある中、
こういうものにアクティブなユーザーが
どれだけmixiに残っているのか、
ということです。

実態はちゃんと把握できていませんが、
少なくとも自分のマイミクを見てると、
mixiはママコミュニティ化してきている感じが否めません。
(世代的にそういう世代なだけかもしれませんが)

いずれにしても、
今後の展開が気になるところです。

ちなみに、こちらが、
デザインしてみたシューズです。
いろいろやってみて、結局、青とシンプルが好きみたいです。。







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