2012年9月22日土曜日

脳内会話が起きる4パターン(『そそるマーケティング』を読んで)

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そそるマーケティング
そそるマーケティング
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電通感性工学ユニット
ダイヤモンド社
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今回読んだこの本は、
電通の「感性工学ユニット」という
プロジェクトチームによる本です。

生活者の購買行動における
「なんとなく…」という“感性”の部分を
「感性工学」という視点から研究し、
人の頭の中で起こる「脳内会話」を
モデル化しようという試みです。 

正直、読んだ感想としては、
「今後に期待したい」という
感じではありますが、
その試み自体は、非常に、
価値あるものだと思います。 

簡単に紹介すると、この本では、
「五感を通じてインプットされる情報」
のことを「ニュース」と呼び、
「そのニュースによって呼び起される
 脳内の記憶やイメージ」のことを
「ストック」と呼んでいます。 

そして、
・ストックが「構造化されたもの」か「断片的なもの」か
・ニュースがストックに対して、
 「同質なもの」か「異質なもの」か
という2軸でマトリックスを組み、
脳内会話がうまく作動するパターンを整理しています。 

言葉を変えて、もの凄くざっくり言うと、
人がそのブランドや商品に対して
・「良く知っている」のか「あまり知らない」のか 
・そのイメージは「好意的」か「好意的ではない」か 
によって、その人に与えるべき情報を
以下の4つのうちどのような情報にすべきか
考えることができる、ということです。

①知識・イメージを強化する情報を与える(なるほど会話) 
②知識・イメージを整理させる情報を与える(磁石会話) 
③知識・イメージを覆す情報を与える(ギャップ会話) 
④知識・イメージを修正する情報を与える(書き換え会話) 

「そりゃそうだよな」という感じもあるかもしれませんが、
我々がターゲットに対して、
どういったメッセージを伝えるのかを考える時、
ターゲットの「ストック(ブランドに対する知識・イメージ)」が
どういう状態なのかということを正確に把握することは、
非常に意味あることだと思います。 

こういったことって、案外、
意識しないと考えることを忘れてしまっている
ことがあるような気もします。 

結局「インサイト」とかっていう
“便利な”言葉で片付けられてしまうところを
改めてわかりやすく定義しようという試み自体は
おもしろいなぁと思いました。


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