2012年10月1日月曜日

広告の未来は「365日コネクション」(『ベロシティ思考』を読んで)

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ベロシティ思考-最高の成果を上げるためのクリエイティブ術-
アジャズ・アーメッド ステファン・オランダー レイ・イナモト(日本版特別寄稿)
パイインターナショナル (2012-08-08)
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■AKQA創設者とNIKE副社長による対談本 

最近よく考えること。
それは、「広告の未来」。 

5年後、10年後、
僕たちの“広告”という仕事は
どうなっているのでしょうか。

それを、真剣に考えておかないと、
今ここで取り残されてしまうんじゃ
ないかという危機感を感じています。

そんな中、良い本に出会いました。  

 ベロシティ思考 
 最高の成果を上げるための 
 クリエイティブ術 

AKQAの創設者アジャズ・アーメッド氏と
NIKEのデジタルスポーツ担当副社長
ステファン・オーランダー氏による対談本です。 

AKQAのレイ・イナモトさんが
特別寄稿をしていると知って、
即購入しました。 

広告の話だけでなく、
組織や働き方など幅広いテーマについて
語られていて、要所要所には、
とても教訓となる言葉がちりばめられており
いろいろと考えることができる一冊だと思います。


■広告の未来とジレンマ 

特に自分が共感した言葉を紹介します。

The goal is to
create connections
with our customers
and earn their loyalty
by serving them.

ゴールは、お客様とのつながりを
つくることであり、
役に立つことによって
顧客ロイヤルティを獲得することだ。 

この言葉は、
声に出して何度も読み返しました。
なぜなら、“広告の未来”は、 
この言葉に集約されているような
気がするからです。 

一方的に何らかのメッセージを伝えるという
“従来の広告”の概念から考えると
かなり異質なものに思えるし、
依然としてマスメディアに“広告”を
載っけてそのマージンをもらうことが
収益の柱となっている日本の“広告ビジネス”においては、
「そんなんじゃ金にならないよ」というのも
もっともかもしれませんが、
でも、これこそが、“広告の未来”である
ように思えてならないのです。

そう思う理由はいくつかありますが、
大きくは、以下の3つです。 

①世の中に情報が溢れ、 
 メッセージが伝わりにくくなった。 
②テクノロジーの進化により、 
 消費者と直接つながることが容易になった。 
③ソーシャルメディアの普及により、 
 ロイヤルカスタマーのクチコミ効果が増大した。 

①と②については、
この本でも触れられていますし、
③も否定しようのない事実である以上、
“広告の未来”は、おのずと、
見えてくるのではないでしょうか。 

ただ、問題なのは、
日本の広告ビジネスモデルが
それに追いついていないということ。 

クライアントにとってベストなことが
広告会社にとって最も収益になることではない、
というジレンマ。 

プロモーションとデジタルの部署を経て
ちょうど1年前に営業職に移った自分にとっては、
このジレンマは非常に大きなものです。


■「360」ではなく「365」  

極めつけは、レイ・イナモトさんの特別寄稿です。 

結論から言おう。
「広告の未来は“広告”ではない」。
そう僕は確信している。
(中略)
未来とは:
 「マス広告」ではなく「ソフトウェア」
 「メディア」ではなく「プロダクト」
 「ブランドの物語」ではなく「ブランドの行動」
 「キャンペーン」ではなく「プログラム」
 「360」ではなく「365」

この中でも、特に心に響いたのは、
「360」ではなく「365」という話です。 

20世紀が「360度のコミュニケーション」
の時代だとしたら、今後21世紀は
「365日のコネクション」の時代だ。 

僕が今の会社に入社した2006年当時、
会社が標榜していた言葉が、
まさに「360°コミュニケーション」でした。 

あれから6年半。
まさかその概念がこれほどまでに
古ぼけて感じられるとは、
思いもしませんでした。 

いかにタッチポイントを増やすかではなく、
いかに長期的にユーザーとコネクトできるか。

TVでもWEBでも屋外でも見てもらえる、
ということよりも、
今日も明日も明後日もつながっていてもらえる、
ということの方が重要なのだと感じます。 

具体的な事例を知りたければ、
この本の中で、
ナイキやハイネケン、フィアットなどの
事例が紹介されていますので、
是非読んでみて下さい。 

また、この本とは関係ないですが、
スケダチの高広さんの本で紹介されている
「花王ヘルシア 12週間健康チャレンジ」も
この考え方に近い気がします。 


たぶん、これからの課題は、
こういった考え方を、
いかに広告主に理解してもらうかと、
いかにそれを広告会社として
収益化できるビジネスモデルにしていくか
ではないでしょうか。


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2012年9月22日土曜日

脳内会話が起きる4パターン(『そそるマーケティング』を読んで)

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そそるマーケティング
そそるマーケティング
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電通感性工学ユニット
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今回読んだこの本は、
電通の「感性工学ユニット」という
プロジェクトチームによる本です。

生活者の購買行動における
「なんとなく…」という“感性”の部分を
「感性工学」という視点から研究し、
人の頭の中で起こる「脳内会話」を
モデル化しようという試みです。 

正直、読んだ感想としては、
「今後に期待したい」という
感じではありますが、
その試み自体は、非常に、
価値あるものだと思います。 

簡単に紹介すると、この本では、
「五感を通じてインプットされる情報」
のことを「ニュース」と呼び、
「そのニュースによって呼び起される
 脳内の記憶やイメージ」のことを
「ストック」と呼んでいます。 

そして、
・ストックが「構造化されたもの」か「断片的なもの」か
・ニュースがストックに対して、
 「同質なもの」か「異質なもの」か
という2軸でマトリックスを組み、
脳内会話がうまく作動するパターンを整理しています。 

言葉を変えて、もの凄くざっくり言うと、
人がそのブランドや商品に対して
・「良く知っている」のか「あまり知らない」のか 
・そのイメージは「好意的」か「好意的ではない」か 
によって、その人に与えるべき情報を
以下の4つのうちどのような情報にすべきか
考えることができる、ということです。

①知識・イメージを強化する情報を与える(なるほど会話) 
②知識・イメージを整理させる情報を与える(磁石会話) 
③知識・イメージを覆す情報を与える(ギャップ会話) 
④知識・イメージを修正する情報を与える(書き換え会話) 

「そりゃそうだよな」という感じもあるかもしれませんが、
我々がターゲットに対して、
どういったメッセージを伝えるのかを考える時、
ターゲットの「ストック(ブランドに対する知識・イメージ)」が
どういう状態なのかということを正確に把握することは、
非常に意味あることだと思います。 

こういったことって、案外、
意識しないと考えることを忘れてしまっている
ことがあるような気もします。 

結局「インサイト」とかっていう
“便利な”言葉で片付けられてしまうところを
改めてわかりやすく定義しようという試み自体は
おもしろいなぁと思いました。


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2012年9月8日土曜日

広告業界に起きる3つのワーク・シフト

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ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
リンダ・グラットン
プレジデント社
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■未来の「働き方」に起きる3つの変化 

前から気になっていたこの本、
「ワーク・シフト」。
2025年に、私たちの働き方は、
どう変化(=シフト)しているのか。
その大きなヒントの数々が
この本の中に盛り込まれていて、
なかなか読みごたえのある一冊でした。

著者は、3つの大きな変化が起きると
主張しています。

<第一のシフト>
ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ

<第二のシフト>
孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ

<第三のシフト>
大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ

根拠や細かい説明は省きますが、
第一のシフトは、つまり、
広く浅い知識をもつのではなく、
いくつかの専門技能を連続的に習得して
いかなければならなくなるということ。

第二のシフトは、
他の人たちとの「つながり」がより重要になり、
その人的ネットワークを活かしながら、
協力してイノベーションを起こすことが
必要になるということ。

第三のシフトは、
何を消費・所有するかより、
情熱をもって「何を生み出すか」
より重要になるということです。


■2025年の広告業界で求められる人材 

では、この3つのシフトを、
広告業界に当てはめて考えてみたいと思います。

<第一のシフト>
ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ

将来、技術革新やグローバル化がさらに進み、
人材の競争が激化していけば、
「ゼネラリスト」は非常に苦しくなるわけですが、
広告会社の中で「ゼネラリスト」といえば、
恐らく「営業職」ではないでしょうか。

広告代理店の営業職が今後厳しくなるという話は、
『僕は君たちに武器を配りたい』
という本の中でも触れられています。

いろいろな価値観や考え方があるので、
一概には言えませんが、
個人的には、一度は営業を経験することは
非常にプラスになると思いつつも、
営業一筋で、「ゼネラリスト」として
広くて浅い知識しかもって場合は、
確かに、将来苦しくなる気がします。

かといって、
ある特定分野のスペシャリストでは、
特に変化の激しい広告業界においては、
非常にリスクが高いと言えます。

特定分野のスペシャリストが苦しくなるというのは、
この本でも、前述の『僕は君たちに武器を配りたい』でも
同じように述べられています。

そこで、この本が推奨しているが
「専門技能の連続的習得(連続スペシャリスト)」です。

まず、自分が選んだ専門分野の
技能と知識を深める必要がある。
そしてその後も、自分の能力を高めたり、
新しい人的ネットワークを築いたりすることを通じて、
ほかの専門分野に移動したり、
脱皮したりすることを繰り返さなくてはならない。

では、どのような専門分野が
高い価値をもつのか。
この本によれば、
以下の3つの条件を満たすことが重要です。

①その技能が価値を生み出すことが広く理解されていること。
②その技能の持ち主が少なく、技能に対する需要が供給を上回っていること。
③その技能がほかの人に模倣されにくく、機械によっても代用されにくいこと。


■2025年の広告業界の人的ネットワーク 

<第二のシフト>
孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ

人との「つながり」や「コラボレーション」
が今後ますます重要になってくると、
今の広告会社にありがちな縦割り組織では
立ちいかなくなってくるかもしれません。

クリエイティブとマーケティング、
デジタルとマスメディアなど、
正直、まだまだ組織間の壁が
少なからず残っている気がします。

自分とは異なる専門技能をもった人たちと
有機的に、フレキシブルな
人的ネットワークを築いていく必要があります。

当然それは、
一つの企業の中で完結する話ではなく、
企業や業界を超えたものになるでしょう。

ソーシャルメディアなどの技術革新により、
そういった人と人との結びつきが
もっと容易に形成される世の中になれば、
もはや、どの企業に属しているかは
あまり問題ではなくなるかもしれません。

ちなみに、この本では、
将来重要になる人的ネットワークについて、
次のように書かれています。

関心分野を共有する少人数の
ブレーン集団である「ポッセ」、
多様なアイデアの源となる
「ビッグアイデア・クラウド」、
そして、安らぎと活力を与えてくれる
現実世界の友人などで構成される
「自己再生のコミュニティ」を築くために、
意識的に努力しなくてはならない。


■2025年の広告業界のやりがい 

<第三のシフト>
大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ

もともと、広告業界は、
どちらかと言うと派手な業界で、
多少偏見的な見方をすると、
大きな売上を上げて、
高い給料をもらい、派手に遊び、
高い車やマンションを所有することが、
ひとつの「やりがい」になっていた
ような気がします。

しかし、今後は、
そういった価値観に変化が
生まれてくると思います。

「いかに大きな売上を上げるか」とか
「いかにたくさんの給料をもらうか」より、
「自分が何を生み出しているか」
「やりがい」に感じる人が増えてくるのではないか、
というのがこの本の主張です。

私は、現在ぎりぎり20代なので、
いわゆる「Y世代」ということになりますが、
40代、50代の上司と話をするときと、
同世代の人間と話をするときでは、
「何にやりがいを感じるか」などの
価値観については、大きなギャップを感じます。

どっちが良いとか悪いとかではなく、
必然的な世代交代の結果として、
この本にも書かれている通り、将来、
「Y世代の影響力が拡大」します。

Y世代が自分たちの希望やニーズを職場に
反映させるようになる。
ワークライフバランスを重んじ、
仕事に面白さを求めるY世代の志向が
仕事のあり方や組織のあり方、
仕事の環境を大きく変えていくだろう。

そうなった時、
あなたは何のために働くのか。
無限に多様化する働き方の選択肢の中で、
あなたはどういった働き方を選択するのか。
そういったことを
自ら積極的に考えなければならない
時代になるのだと思います。


■主体的に築く未来 

この本の中では、
2025年がどういう世の中になるのかについて、
明るい未来のストーリーと
暗い未来のストーリーの
両方のパターンで、具体的に描いています。

2025年、私たちはどんなふうに
働いているだろうか?
「漫然と迎える未来」には
孤独で貧困な人生が待ちうけ、
「主体的に築く未来」には
自由で創造的な人生がある。

未来を主体的に築くために、
この本は、一読の価値があると思います。

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2012年8月26日日曜日

ヒットを生んだ企業が注目した“ハッスル”とは?(『ザ・ディマンド』を読んで)

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ザ・ディマンド 爆発的ヒットを生む需要創出術
エイドリアン・J・スライウォツキー カール・ウェバー
日本経済新聞出版社
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■「ドラッカーの再来」が書いた本 

この本は、「ドラッカーの再来」とも称される
エイドリアン・J・スライウォツキー氏が
「爆発的ヒットを生む需要創出術」について
書いた本です。

成功している世界の様々な製品・サービスについて、
それがいかにして人々の需要を創出してきたのか、
ストーリー感のある豊富な事例とともに書かれており、
「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」が好きな人なら、
非常に楽しめる一冊だと思います。

まず、この本では、
ディマンド(需要)を創出する上で必要なスキルとして、
以下6つのキーワードを掲げています。

①マグネティック ― 機能面と情緒面の「魅力」が需要を生み出す
②ハッスル・マップ ― 時間とお金をムダにする「欠点」を明らかにする
③バックストーリー ― 「見えない要素」で魅力を強化する
④トリガー ― 人々を「夢中」にさせ、購買の決断を下してもらう
⑤トラジェクトリー ― 魅力を「進化」させ、新しい需要層を掘り起こす
⑥バリエーション ― 「コスト効率の高い製品多様化」を図る

読む人によって、
これらのどの部分に強い関心を示すかは
まちまちだと思いますが、
私が特に注目したのは、
「ハッスル・マップ(Hassle Map)」というワードです。


■「ハッスル」を明らかにする 

「Hassle」という単語は、
日本の英和辞典だと「けんか、口論」などと
訳されていることが多いですが、
英英辞書で意味を見てみると、
「面倒、煩わしさ、不快」という言葉がしっくりきます。

そして、この本が言う「ハッスル」とは、
「顧客体験のなかに隠れている失望感、不便さ、
複雑さ、潜在的な厄介事の数々」のことで、
ハッスル・マップとは、
「それがどこに隠れているのかを示したもの」
といったような意味です。

著者はこう述べています。

ハッスル・マップは
頭の中にしまっておいてもいいし、
顧客のハッスルを実際に地図のように
書き出してもかまわない。
ディマンド創出をきわめたいなら、
役に立ちたいと思う顧客のハッスル・マップを
作成することがなにより有益だ。

この本を読むと、
成功している企業の多くは、
このハッスル・マップを明らかにすることに
相当な時間と労力を注ぎ込んでいることがわかります。

顧客の「ハッスル」を見つけ出すためには、
徹底した顧客との対話が不可欠です。
さらに、ハッスルは、
潜在レベルのものまでも浮き彫りにすることが重要で、
そのためには、顧客と心から向き合い、
顧客目線で物事を見つめる必要があるでしょう。

本書に登場する「ディマンド・クリエイター」の一人、
ネスレのヘンク・クワクマンは、
次のような発言をしています。

「問題が見つかるということは、
ビジネスが見つかるということだ」

ここで言う「問題」とは、
もちろん「ハッスル」のことです。


■「ハッスル」から「トリガー」へ 

ハッスルを理解することで何が起こるのかと言うと、
それは、もう一つのキーワードでもある
「トリガー」を見つけ出すことにつながるのです。

トリガーとは、
「様子見の人を顧客に転じさせるなにか」

コンセプトは共感されながらも、
なかなか普及しなかった「カーシェアリング」を
一気に広めたアメリカのジップカーにとって、
トリガーとなったのは、
「密度(家の近くにすぐ乗れる車があること)」でした。

ソニーが失敗したアメリカの電子書籍市場で、
キンドルを成功に導いたトリガーは、
「書籍への瞬間的なアクセス」でした。

ネットフリックス(TSUTAYA DISCASのようなもの)の
ディマンドを一気に加熱させたトリガーは、
「配達速度」でした。

この本を読めばよくわかりますが、いずれも、
顧客のハッスルを全力で理解しようとした結果、
見つけ出すことができた「トリガー」なのです。


製品やサービスを提供する企業、
あるいは、私たち広告会社の人間にとっては、
「顧客のニーズを理解する」という考え方のほうが
一般的だと思います。

しかし、この本で紹介されている
「顧客のハッスルを明らかにする」
→「トリガーを見つけ出す」
→「ディマンドを創出する」
という考え方も、ぜひ日頃から、
意識しておきたいことの一つだと感じました。


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2012年7月22日日曜日

商品をサービス化するという発想(『次世代コミュニケーションプランニング』を読んで)

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次世代コミュニケーションプランニング
高広 伯彦
ソフトバンククリエイティブ
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遅れ馳せながら、高広伯彦さんの
「次世代コミュニケーションプランニング」
を読みました。

アマゾンのレビューの中に、
この本のことを、
「コミュニケーションプランニング(再)入門」、
あるいは、「高広伯彦入門」と
表現している人がいましたが、
なかなかしっくりくる表現だと思います。

高広さんのことを、
ブログやTwitterでフォローし、
セミナーやアドタイの連載も
チェックしている自分としては、
期待が大きすぎるせいかやや物足りない感もあり、
5章の「コンテクストプランニング」については
もっと深く読んでみたいと感じました。

とはいえ、読み終えると、
やはりドッグイヤーだらけでした。

そんな中でも特に心に響いたのは
次の一文です。

ソーシャルメディアの時代には、
ユーザーを囲い込むのではなく、
ユーザー自身が作っている
コミュニティに入っていき、
いかに企業側がユーザーに
「囲い込まれる」かが鍵になってくる。

これはすごく納得で、
最近の優れたコミュニケーション事例を見ると、
「囲い込まれる」という表現が
非常に的を射ているように感じます。

また、この本の中では、
著者が実際に携わった事例が
多く紹介されていますが、
その中でも、個人的に一番のお気に入りは、
「花王ヘルシア 12週間健康チャレンジ」です。

この企画については、
キャンペーンが始まった当初から、
あまり派手さはないけど、
コミュニケーションプランニングという意味では、
飛びぬけて秀逸だなぁと思っていました。

その企画が生まれる上で
ベースとなった考え方が
この本の中で紹介されています。

買い手側が期待する「価値」に対して、
「商品」はそれを満たしているか、
満たしていないならば
アドオンする必要があるかと考えてみる。
(中略)
この「期待される価値」の足りない部分を
補うというのが「商品のサービス化」という発想であり、
これを具現化するものとして「メディア作り」がある。

一見するとこの事例は、
単にソーシャルメディアの活用事例と
捉えられるかもしれませんが、
その根底にあったのは、
「商品をサービス化する」という発想です。

ヘルシアの場合、
「期待される価値」とは、
「脂肪の燃焼=肥満の解消」ですが、
「商品」だけでそれを完全に満たすことはできません。
そこで、体重、体脂肪や運動の記録を付けたり、
友達とその状況をシェアすることができる
「サービス」を作り出したのです。

そうすることで、ユーザーに
うまく「囲い込まれる」ことに
成功しています。

この考え方は、
他にもいろいろと
応用が可能な考え方ではないでしょうか。

広告(コミュニケーション)の力で
「商品をサービス化する」というのは
比較的新しい発想だと思いますし、
今後広告会社に期待される
大きな役割の一つになるかもしれません。

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2012年7月15日日曜日

無知の知は力なり

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突然ですが、僕が好きな言葉のひとつに、
「知は力なり」という有名な言葉があります。

ベーコンという哲学者の言葉で、
ここでいう「知」とは、
「知識」のことです。

広告会社の仕事は、まさに、
様々な知識が必要とされ、
この言葉の意味を日々実感しています。

一方で、もう一つ大事にしている言葉があって、
それは、「無知の知」という言葉です。

これは、ソクラテスの言葉で、
以下、Wikipediaからの引用です。

ソクラテスは当時、
知恵者と評判の人物との対話を通して、
自分の知識が完全ではない事に気がついている、
言い換えれば無知である事を知っている点において、
知恵者と自認する相手より僅かに優れていると考えた。
また知らない事を知っていると考えるよりも、
知らない事は知らないと考える方が優れている、
とも考えた。

自分でも実感していることですが、
入社して年を重ねるごとに、
「知らない」ということを認めることへの
抵抗感は、どんどん増してきます。

そうなると、
「知ったか」というのが現れて、
これは他人の目からすると、
いかにも哀れだし、何より、
自己成長を全くもたらさない。

だから、「無知の知」という言葉は
大事にしたいなぁと考えているし、
「無知」を自覚したら、
出来るだけそれを「知(=力)」に
変える努力をしたいなぁと思っています。


前置きが長くなりましたが、
自分は「経済」というものに対して
あまりにも「無知」だと思うので、
この本「経済ってそういうことだったのか会議」
を読んでみました。

竹中平蔵さんと元電通の佐藤雅彦さんによる
経済のベーシックな部分を
テーマにした対談本です。

個人的に印象に残ったのは、
「なぜ日本人は会社への所属意識が高いのか」とか、
「人頭税の方がいいんじゃないか」とか、
「どうやってドルは基軸通貨になれたのか」とか、
「日本は川下から始めたからよかったのか」とか、
「エコノミクスって共同体のあり方ってことか」とか。

10年以上前の本ですが、
僕のように経済に無知な人にとっては、
タイトルにある通り、
「経済ってそういうことだったのか」
って、感じると思います。

経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)
佐藤 雅彦 竹中 平蔵
日本経済新聞社
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2012年7月8日日曜日

広告人が実践すべき「Think Small」の法則(『Think Simple』を読んで)

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Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学
ケン・シーガル
NHK出版
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スティーブ・ジョブズのもとでアップルの
クリエイティブディレクターを務めていた
ケン・シーガルが書いたこの本には、
多くの広告人にとって、
教訓となるような話が多く含まれています。

その中でも個人的に特に印象に残っている
箇所を紹介します。
それは、「Think Small」という章の中の
「少人数の法則」という話です。

今私がいる九州支社に異動してからは
そんなことはなくなりましたが、
私が本社にいたときには、
参加者が10人を超すような会議が
しばしばありました。

時にはそれが本当に必要なこともありましたが、
「あぁ、今日は何もまとまりそうにないなぁ・・・」
と思うことも少なくなかった気がします。

筆者はこのことについて、
次のように述べています。

広告の世界における長年の経験から、
私は次の科学的法則をまとめることに成功した。
プロジェクトの成果の質は、
そこにかかわる人間の多さに反比例する。

ちなみに、
単に人数が少なければいいのではなく、
「有能な少人数のグループ」であることが
重要であると繰り返し強調されてあります。

また、上記の法則と併せて、
もう一つ重要な原則が紹介されています。

プロジェクトの成果の質は、
最終的な意思決定者がかかわる程度に比例する。

つまり、「最終的な意思決定者」が
プロジェクトの過程にしっかりと
関与することが大切だということです。

通常日本では、広告の仕事において、
最終的な意思決定者が
プロジェクトの過程に関与することは
非常に稀なことです。

広告主の担当者と打ち合わせを重ね、
それに対して、
広告主の社長だったり広告部長だったりが
最終的な判断を行うというのが
通常の流れだと言えるでしょう。

しかし、アップルでは、
CEOのジョブズ自身が、
マーケティングのプロジェクトに
大いに関与しています。

先週ブログに書いた
「愛されるアイデアの作り方」でも、
最終的な意思決定者である鹿毛さん自身が
プロジェクトの初期段階から
大きく関与していることがわかります。

そう考えると、
この原則が正しいということも
十分に頷けます。

広告主側の「最終的な意思決定者」が
プロジェクトにかかわる程度が低いことは
よくあることですが、下手をすると、
広告会社側の「最終的な意思決定者」の
かかわる程度が低いこともたまにあります。

プレゼンの前日になって
広告会社の「最終的な意思決定者」が
急に現れて、企画書を見るや、
これまでの打ち合わせをふいにするような
「アドバイス」を行い、
企画内容が変わってしまうような
経験をしたことが何度かあります。

恐らく、同じような経験をされた
ことがある方も少なくないと思います。

言うまでもなく、そのような競合プレでは、
勝利したことが一度もありません。

「最終的な意思決定者」は、
最初からプロジェクトにしっかり関与するべきだし、
逆に言うと、
しっかりプロジェクトに関与できていない人間は
「最終的な意思決定者」であるべきではない
とも言えます。


最後に、この本からもう一つだけ、
広告人が教訓として心に刻むべき箇所を
紹介させて下さい。
それは、「Think Human」という章に書かれています。

アップルは初代のiPodを説明するのに、
5ギガバイトのドライブを搭載した、
重さ185グラムの音楽プレーヤーとは言わなかった。
シンプルに「1000曲をポケットに」と言っただけだ。
これが人間のコミュニケーションのとり方だ。
(中略)
人と結びつく最良の方法は、
物事を説明するときに、
人が日常会話で使う言葉で話すことなのだ。

これは、多くの広告人が、
ハッとする話ではないでしょうか。


Simplicity is the ultimate sophistication.

レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉であり、
1977年にアップルが「AppleⅡ」のパンフレットに
キャッチコピーとして使った言葉です。

アップルのマーケティングの強さの秘密は、
まさにここにあるのだと実感しました。

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2012年7月1日日曜日

『愛されるアイデアのつくり方』は、広告人必読の本だと思う。

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愛されるアイデアのつくり方
鹿毛康司
WAVE出版 (2012-05-08)
売り上げランキング: 1580


素晴らしい本に出会いました。

読み終えた後、
1人でスタンディングオベーションを
送りたくなるような、
そんな読後感です。

タイトルからは、
ありがちなHow to本を
想像する人もいるかもしれませんが、
この本には、ドラマがあり、心動かされ、
これほどまでに「素直に」書かれた本は、
本当に珍しいと思います。

ビジネス書なのに、
途中で泪が出そうになる本です。


広告に携わる人間が
よく口にする言葉、「ブランド」。
「ブランド」や「ブランディング」に関する
本はいろいろ読んできたので、
「ブランド」とは何か、
頭では理解しているつもりですが、
この本を読んで、初めて、
心でそれを感じることができた気がします。

この本の中では、
「愛されるアイデア」を生み出す方法が
様々書かれています。
ただ、そこには明確に書かれていないのだけど、
この本を読んで強く感じたことがあります。

それは、
この著者が「愛されるアイデア」
生み出すことができるのは、
誰よりも自社の「ブランド」を愛し、
「お客様」を愛し、そして、
「仲間」を愛しているからだ、
ということです。

広告会社の人間なら、
こう自問するべきでしょう。

・担当している広告主のブランドを愛しているか?
・担当している広告主のお客様を愛しているか?
・自分の仲間を愛しているか?

もし答えがNOなら、
愛されるアイデアなど生まれるはずが
無いのだと痛感しました。

ここでいう「愛している」が、
どういうことを意味するのかは、
この本を読めば感じとってもらえると思います。


以下、引用。

エステーは、意表をついてびっくりさせるのを
狙っていると言う人がいる。
よくわかっていない人ほどそういうコメントで
かたづけようとする。しかし、
僕は決して「意表をつく」ことを目的としたり、
それを狙っているわけではない。
(中略)
ブランドはみんなのもの―。
この信念こそが「愛されるアイデア」を
生み出す糧となったのだ。


心から「広告」という仕事に
関わるつもりがあるのであれば、
読んでおかなければいけない
一冊だと思いました。

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2012年6月24日日曜日

広告で示すべきハピネスの形とは?(『つなげる広告』を読んで)

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つなげる広告 共感、ソーシャル、ゲームで築く顧客との新しい関係性 (アスキー新書)
京井良彦
アスキー・メディアワークス
売り上げランキング: 3795


ロングエンゲージメント」の著者で
電通のアカウントプランナー、
京井良彦さんの新刊「つなげる広告」
を読みました。

ご本人がプロローグで、
「主張も事例も新しいものではないかもしれません」
と書かれている通りではありますが、
ソーシャルメディアが
当たり前になりつつある現代の
新しい広告のあり方について、
重要なエッセンスがうまくまとまっている
本だと感じました。


まず、広告の役割について、
著者は次のように述べています。

広告は生活者のハピネスの形を明示し、
導いていかなければならない

そして、「確かに」と頷いたのが、
「物質的な豊かさ」=「幸せ」
だった成長期の日本と現代の日本では、
「幸せ」の定義が異なっており、
つまりは、広告が示すべき
「ハピネスの形」も変わってくる
ということです。

筆者が言っている
新しいハピネスの形とは、
「人とのつながり」
「コミュニティーへの貢献」
といった社会的な価値観です。

物質的な豊かさがある程度
当たり前のものになった現代において、
日本人が求める「ハピネスの形」は
非常に多様化しています。

そんな中、
ソーシャルメディアの普及によって、
「人とつながる」ことは、
容易になり、かつ可視化されるものになりました。
そう考えると、著者が言うような、
「人とのつながり」や
「コミュニティーへの貢献」といった
新しいハピネスの形が生まれてくるのは、
当然の流れだと思えます。

「なぜ人はつながりを求めるようになったのか」
について、僕の考えは、
著者の本の中での説明と少し異なり、
人とのつながりが「容易」になり、
かつ「可視化された」というのが
ポイントではないかと考えています。

レコーディングダイエットがいい例で、
人は対象が可視化されると
モチベーションを向上させやすくなります。

ソーシャルメディアによって
「人とのつながり」が可視化されたことで
より「人とつながりたい」という欲求が
増してきているのではないかと思います。

広告に携わる人間として、
ソーシャルメディアがもたらした変化
について考える時、これまでは、
「情報の流れの変化」ばかりに
注目していたような気がします。

しかし、この本を読んで、
ソーシャルメディアを起因とした、
人が求める「ハピネスの形の変化」にも
もっと注目し、議論されていかなければ
ならないような気がしてきました。

なぜなら、著者が言うように、
「広告は生活者のハピネスの形を明示し、
導いていかなければならない」
からです。

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2012年6月17日日曜日

戦略思考に必要な3つのスキル(『戦略シナリオ』を読んで)

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戦略シナリオ 思考と技術 (Best solution)
斎藤 嘉則
東洋経済新報社
売り上げランキング: 18914


この本の主要なキーワードのひとつに、
「戦略思考」という言葉があります。

≪戦略思考≫とは一言でいうと、
「不確実なビジネス環境において、
明確な将来のシナリオを創る思考」
である。それは、
枠組みの変化や本質そのものの変化が
激しく押し寄せる現代において、
変化の流れ=潮流をすかさず読みとり、
どちらの方向に舵をとるべきかを
即断する思考方法ともいえる。

この本が書かれたのは1998年。
それから現在までに、
私たちを取り巻くビジネス環境は、
加速度的にその不確実性を増しており、
ビジネスパーソンにとって、
まさにこの「戦略思考」の必要性が
これまで以上に高まっていると言えます。

では、どのようにして、
この「戦略思考」を習得する
ことができるのか。

≪戦略思考≫を実現するには、
3つのスキルが必要とされる。
「具体的結論を出す力」、
「過去から将来まで構造を洞察する力」、
「リスクを伴う判断を行う力」である。

敢えて声を大にして言えば、
この3つのスキルを持ち合わせていない
人間が(自分も含めて)今の世の中には
多すぎるのではないでしょうか。

特に一つ目の、
「具体的結論を出す力」
結論を先延ばしにし、
結論を出すことを避ける人が
とても多いような気がします。

去年、「新入社員の後輩に伝えたい5つのこと
というエントリーにも書きましたが、
仮説ベースでもいいので、とにかく、
自分なりの解をもつ(=結論を出す)ことは、
極めて重要だと思います。

2つ目の「過去から将来まで構造を洞察する力」は、
「構造を」というのがポイント。
ただ、これは、なかなか難しい
スキルだと思います。それでも、
そういう意識を持つことが大切ではないでしょうか。

3つ目の「リスクを伴う判断を行う力」
無くてはならないスキルだと思います。

日本では、どうしても「リスク」というと、
非常にネガティブなものとして
捉えられがちです。

例えば、資産運用なんかを考えても、
日本ではリスクが極めて小さい銀行預金の
割合が圧倒的に多いのが実情です。
逆に、リスクを正しく理解せず、
「ギャンブル」としか言いようがないような
投資に走るのも大問題です。
「リスクを正しく理解した上でリスクを取る」
というのが、資産運用に限らず、
ビジネスにおいても重要だと思います。


もうひとつ、この本を読んで、
覚えておきたいと思ったことがあります。
それは、「3C+3S」というフレームワークです。

3Cは有名なので、説明するまでもないですが、
「Customer(顧客)」
「Competitor(競合)」
「Company(自社)」
の3Cです。

そして、3Sというのは、
「選択」「差別化」「集中」の3Sだそうです。
(「日本語かいっ」っていうツッコミはともかく。。)

Customer(顧客)はどういう人なのか、
どういうニーズを持っているのか
ということがわかった。しかし、
すべての顧客をターゲットとして
訴求することはできないので、
どの顧客ニーズを「選択」するのかを
決断しなければならない。また、
Competitor(競合)はどんな企業があって
どういう土俵で戦っているのか
ということがわかったら、
今度はその競合とどう「差別化」するのか
考えなければならない。そして、
Company(自社)を洞察することで
自社の資源や強みがわかったら、
どこに資源を「集中」するのかを
判断しなければならない。

よくありがちなのは、
分析は行ったのに具体的な決断が何も無いとか、
あるいは、ちゃんと分析をすることなく
根拠のない決断をしてしまうというもの。

そんな中、この「3C+3S」という、
分析から具体的な決断までがセットになった
考え方は、常日頃から、
意識したいと思いました。

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2012年6月3日日曜日

事業を成功させるポイント(『はじめの一歩を踏み出そう』を読んで)

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はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術
マイケル・E. ガーバー
世界文化社
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この本は、副題の「成功する人たちの起業術」が
表している通り、スモールビジネスの
起業・経営ノウハウを、2,500社以上の
コンサルティング経験をもつ著者がまとめた本です。

アメリカのビジネス誌が行った
成長企業のCEO500人へのアンケートで、
ビジネス書No.1に選ばれた本だそうです。


この本の中で、
事業を成功させるためのポイントとして
強調されていることのひとつは、
「どうやって他人に任せても、
うまくいくような仕組みをつくるのか?」
ということです。

他人に任せることができないかぎり、
あなたは自分が始めた事業の
奴隷になってしまうからです。
逆にいえば、これを解決するような
アイデアさえ思いつけば、
あなたにも自由と成功への道が開けることになる。

これは、「起業家」に限らず、
広告会社を含めて一般の企業で働く人にとっても
通じる部分があると思います。

組織の中で、後輩など、
自分がある程度仕事を任せれる人ができると、
自分がいかに成果を上げるかと同じくらいに
誰がやっても同じように成果が上げられる
仕組みをいかに作るかが重要になってきます。

マクドナルドの創業者レイ・クロックに関する
以下の洞察も非常に納得できます。

レイ・クロックは、
「何を売るか」ではなく、
「どのように売るか」に着目した。
つまり、売るための仕組みにこそ
価値があると考えたのである。
マクドナルド兄弟の店でレイ・クロックが
理解したことは、ハンバーガーが
彼らの商品ではないということだった。
マクドナルドという店自体が彼らの商品だった。


もうひとつ、事業の成功ポイントとして
印象に残ったのは、「組織図を作る」
ということです。

単に「図」をつくることや、
ちょっとかっこいい組織名を考えることが
重要なのではなくて、
役割と責任を明確にすることが大切なのです。

著者は「役職契約書」を作成することを勧めています。

役職契約書とは、
会社と従業員との間の契約書類であり、
組織の一員としての責任を
明らかにするものである。
つまり、役職契約書とは、
だれが担当者で、誰が責任を負うのかを
明記した文書だと考えればよい。

役割と責任がそこまで明文化されたものは、
企業の規模に関わらず、あまりないかもしれません。
しかし、それを明確にすることのメリットは
想像以上に大きいと思います。

「あれ、これって誰がやるんだっけ?」
「こういう仕事はどの部署にお願いしたらいいの?」
「この部署とあの部署って何が違うの?」
どっかでよく聞くような話ですが、
こういう責任の所在が不明確な組織では、
事業が上手くいくわけないですよね。


この本を読んで最後に思ったことは、
別に起業するとかしないではなく、
自分は「仕組み」や「組織」を作る人間になるのか、
それとも、誰かが作った「仕組み」や「組織」の中で
働く人間になるのか、ということ。

それは、著者の次の言葉にも重なります。

普通の人と功績を残す人の違いは、
人生を受け身の姿勢で過ごすことと、
自ら人生を切り開こうとすることの差だと
私は信じている。

受け身の人生は過ごしたくない、
そう思う、今日この頃です。

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2012年5月20日日曜日

「給料」が上がる働き方とは?(『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』を読んで)

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僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)
木暮 太一
講談社
売り上げランキング: 1629


あなたは、自分の給料の額が、
自分の「努力」や「成果」に応じて
決まっていると思っていませんか?

自分は少なからずそう思っていました。

この本の前半部分では、
私たちがもらっている給料の構造を、
資本主義経済の本質から解き明かしてくれます。

結論だけ紹介すると、
日本のほとんどの企業では、
給料は、「必要経費の積み上げ」で決まっています。
「必要経費」とは、労働者が翌日また働けるように、
食事をとり、家で睡眠をとり、洋服を着替え、
気晴らしのために飲みに行く、などにかかる費用です。

ワーキングプアという言葉が当てはまってしまう人から
年収1000万円の高給取りまで、みんながみんな
「自分の生活には余裕がない」と感じているのは、
給料が「必要経費分」だからです。

私たちは、労働者として
働き続けるために必要な経費しか
給料としてもらっていないということのようです。

自分の業績によって、
多少給料(賞与)が変わったりしますが、
それはあくまで「プラスアルファ」の部分とのこと。
確かに、自分がほかの人より2倍の利益を会社にもたらしても、
自分の給料が2倍になることはありません。
給料のベースが「必要経費分」で決まっている
というのは納得です。

この「必要経費分」のことを
著者は、「労働力の価値」と呼んでいます。

単純に考えて、給料を上げるためには、
この「労働力の価値」を上げる必要がある
ということになります。

そして、この本の後半は、
「じゃあ僕たちはどういう働き方を選択すべきか」
という話につながっていくのですが、
その上で、僕が一番重要だと感じたのは、
「労働力の価値」には、
「その仕事ができるようになるために費やした労力」
も含まれる、ということです。

単純な例ですが、
医者の給料が高いのはそのためです。

労働力の価値を積み上げるには、
「自分の労働力を消費せずに投資する」
という考え方が必要です。
その仕事に必要な知識、技術、経験を地道に積み上げて、
他の人が同じことを身につけようとすると
長い時間と費用がかかるような「資産」を身につけるのです。

この考え方は非常に重要だと思います。
何も考えずに会社で働いていると、
「資産」を積み上げることなく、
ただ毎日「労働力を消費」していることに
なりかねません。

また、自分が今やっている仕事が、
自分よりも何年も若い社員でも、
全く同じようにできるのであれば、
自分は資産を積み上げてこなかった、
つまり、労働力の価値が上がっていない
ということになってしまいます。

自分自身に毎日問うべきなのは、
「資産を作る仕事を、今日はどれだけやったか?」
という質問です。
これは、折に触れて自問するようにしてください。
日々忙しく駆けずり回っていても、
この質問に答えられないようであれば、
立ち止まって考え直すべきです。

この箇所はかなり心に突き刺さりました。

そして、この本の最後に紹介されている、
アンソニー・ロビンスというアメリカ人「コーチ」
の言葉も、素晴らしい言葉です。

「ひとは、1年でできることを過大評価し、
10年でできることを過少評価する」

この本、一読されることを、
強くお勧めします。

資本主義経済において、
「働く」ということ、
そして「給料」の意味(本質)を
考え直すきっかけになります。
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フレームワークが必要な理由(『実践マーケティング戦略』を読んで)

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図解 実戦マーケティング戦略
佐藤 義典
日本能率協会マネジメントセンター
売り上げランキング: 491

この本は、別に新しい本ではないけど、
読んで非常に「ためになる」本だと思います。

この本では、
マーケティング戦略を考える上で使える
下記5つのオリジナルツールが紹介されています。

①戦略BASiCS
②マインドフロー
③ニーズの広さ深さ
④売上5原則
⑤プロダクトフロー

この中の戦略BASiCSというフレームワークについて少し紹介します。

B:Battelefield 競争の場・戦場
A:Asset マーケティング資産
S:Strength 強み・差別化ポイント
iは、語呂合わせ
C:Customer 顧客ターゲット
S:Selling Message 売り文句

Battlefieldというのは、
つまり、どのカテゴリーで戦っていくのか、
ということ。
ポジショニングの概念に近いと思います。

Asset(資産)とStrenth(強み)の違いは、
少しわかりにくいですが、
本文を引用すると以下の通り。

資産は、会社にあるもの、
強みは、強みと認識された結果
お客様の頭の中にあるもの、ともいえます。

例えば、スターバックスなら、
「従業員教育」が資産で、
「親しみやすい従業員対応」が強みになります。

CustomerとSelling Messageは
説明するまでもないと思います。

マーケティング戦略を考える上で、
これら5つの整合性が
きちんと取れているかどうかを確認することが大切、
という話です。

これは、今自分が担当しているクライアントで、
一度試してみる価値があると思います。
また、競合企業と比較してみることも
戦略を考える上で非常に有効だと感じました。

このようなフレームワークの類は、
他にもいろいろありますが、
フレームワークの良いところは、
「チェックリスト」として機能するところにあると思います。

この本にも、下記のように書かれています。

様々なツールを使う理由の1つは、
「脳に考えることを強制させる」ことでもあるのです。

その会社の強みやターゲットなどをあまり深く考えずに、
「Selling Message」を考えているようなことって
意外と多い気がします。
そんな時に、こういったフレームワークを
活用することは、「強制的に考えさせる」という意味で、
非常に有効だと思います。


その他、この本を読んで、
印象に残った箇所をいくつか紹介します。

■マス戦略かニッチ戦略しかない

マーケティング戦略には、
マクドナルドのような、
数を求め、大規模化による低コスト戦略(=マス戦略)か、
モスバーガーのような、
特定の市場を深く掘る、高付加価値独自化戦略(=ニッチ戦略)
しかない、という話。
しかも、マス戦略を取れる企業はかなり限られるので、
殆どは、ニッチ戦略を取るしかないとのこと。

■売上を上げる方法は5つしかない

売上げを上げるには、
①新規顧客の増加
②流出顧客の減少
③購買頻度の増加
④買上点数の増大
⑤1点当たり商品単価の向上
の5つの方法しかない、という話。
ここでは、結論の5つしか書きませんが、
何故そうなるのかをロジカルに説明できると、
なんかちょっと頭が良さそうな感じがすると思います。(笑)

■意外と軽視される流出顧客対策

これは、自分も広告の仕事をしていて、
前からかなり感じていたことでもあるけど、
既存客の流出よりも新規顧客の獲得に
かなりの力を入れる企業が多いが、
既存顧客の流出は、想像以上に、
売上へのインパクトが大きいという話。

などなど。

マーケティングに携わっている人は、
一度読んでみてはいかがでしょうか。


久しぶりにマーケティングの本を読んだら、
自分はもっとマーケティングの勉強がしたいんだ、
ってことに改めて気がつきました。。

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2012年5月6日日曜日

自分の欲求を知り、幸せな人生を送る(『本当に欲しいものを知りなさい』を読んで)

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本当に欲しいものを知りなさい―究極の自分探しができる16の欲求プロフィール
スティーブン リース
角川書店
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この本はもう何年も前に読んだ本ですが、
GWに改めて読み返してみました。

ちなみに、今までいろんな本を読んできましたが、
この本は、その中でもかなり上位に入る
お勧めの一冊です。

この本の趣旨としては、まず、
あなたの「基本的欲求(=本当に欲しいもの)」が
何なのかを知ることが重要で、その基本的欲求を、
仕事や家庭生活などを通じて満たしてあげることで、
幸せな、生きがいのある人生を送れる、ということです。

<16の基本的欲求>
基本的欲求は以下のように大別されます。

●力   ●独立 ●好奇心 ●承認
●秩序  ●貯蔵 ●誇り  ●理想
●交流  ●家族 ●地位  ●競争
●ロマンス●食  ●運動  ●安心


たいていの人は、
これらの基本的欲求の中でも、
ほんの2つか3つの欲求に強く刺激されるそうです。
それがあなたの「本当に欲しいもの」です。

この本にはそれぞれの欲求ごとに、
いくつかの質問が用意されており、
この本を読めば、あなたの
「本当に欲しいもの」が何かを知ることができます。
(上の16個を眺めてもはっきりとはわからないと思います)

自分の基本的欲求が何かをしっかりと認識し、
その欲求がどうしたら満たされるのか
日々意識することができれば、
著者が言うように、非常に有意義な人生が送れる気がします。

また、この本に書かれているもう一つの重要なことは、
自分のまわりにいる人の基本的欲求を知ることも
非常に意義があるということです。

人それぞれ、基本的欲求は異なります。
つまり、自分にとって最高のものが
別の人にとっても最高のものであるとは限らないということです。
しかし、人はしばしば自分の価値観を
他人に押し付けてしまうことがあります。
人の基本的欲求を知ることができれば、
本当にその人と理解し合えることにつながるはずです。


ここからは自分の備忘録的なものになってしまいますが、
この本によると、
僕の「本当に欲しいもの」は以下の3つです。

●力  ●好奇心 ●秩序


以下、この本からの一部抜粋です。

【力】
この欲求が強い人は、
なにかを達成したり指導力を発揮したりすることで、
幸せを感じることができる。
仕事やキャリアで成果を上げると、
自分に力(影響力)があることを感じたいという
欲求が満たされる。
力への欲求が強い人は野心的で、
自分にやりがいのある目標を掲げる。
大きな目標を掲げながら働いたり、
目標について考えたりするだけでも、
力への欲求は一時的に満たされる。

【好奇心】
この欲求が強い人は、
知識や情報を得ることで、好奇心が満たされ、
幸せを感じることができる。
旅行をする、市民講座を受ける、読書の時間をつくるなど、
自分の知識を増やすことで、この幸せは増大できる。
仕事を通じてなにかを学ぶ方法には、
出張で知らない場所に行く、新しい技能を習得する、
情報を収集して分析することなどがある。

【秩序】
この欲求が強い人は、毎日の生活が自分の望み通りに
秩序立っていれば、安心した気持ちになれ、
幸せな生活を送れる。いつも通りの行動をとる、
日課をつくる、いろいろな活動の計画を立てることなどで、
秩序を保ちたいという欲求を満たすことができるだろう。
この欲求は、なにかを組織したり、計画を立てたり、
スケジュールを管理したり、細かいことに気を配ったり、
規則を守らせたり、儀式的なことを行う必要のある
仕事に携わることで満たされる。
この欲求では整然とした状態も志向するから、
整頓された清潔なオフィスで働くことでも、
秩序立った感覚やものごとの予測がつくという
感覚を味わえるだろう。

確かに自分は、
目標を立ててそれを達成することにやりがいを感じるし、
本を読んで、知識や情報を得ることも好きだし、
計画を立てたり整理整頓することも好きです。

そんな自分の基本的欲求を多く満たすことができる
人生目標を立て、日々過ごしていければいいなと思います。

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2012年5月5日土曜日

マクドナルド創業者レイ・クロックから学んだ3つのこと(『成功はゴミ箱の中に』を読んで)

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成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)
レイ・A. クロック ロバート アンダーソン 野地 秩嘉 孫 正義 柳井 正
プレジデント社
売り上げランキング: 3660


ユニクロの柳井さんとソフトバンクの孫さんが
二人並んで「これが僕たちの人生のバイブル」
と書かれた帯に惹かれてこの本を読んでみました。

この本を読むまで、
正直、マクドナルドの創業者レイ・クロックという
人物のことは全く知りませんでしたし、
マクドナルドという会社が
どのようにして生まれたのかも知りませんでした。

レイ・クロックがマクドナルドのビジネスを始めたのは、
意外にも、彼が52歳の時で、
しかもそれまでは、飲食業に携わっていたわけでもないのです。
マクドナルドというお店が、
創業者のレイ・クロック自身が一から始めたお店ではなく、
もともとは「マクドナルド兄弟」が営んでいた
小さなお店だったということさえも知らなかった自分にとっては、
まさにこの「アメリカン・ドリーム」なストーリーが、
非常に興味深く、読んでいて楽しいものでした。


①仕事を楽しむ

この本を読んでいて一番感じたのは、
「レイ・クロックは本当に仕事が楽しくて仕方ないんだろうなぁ」
ということです。

レイ・クロック曰く、

仕事とは、その人の人生にとって
ハンバーガーの肉のような存在である。
『仕事ばかりして遊ばなければ人間駄目になる』
という格言があるが、私はこれには同意しない。
なぜなら私にとっては、
仕事が遊びそのものだったからだ。

彼が特に楽しんでいたのは、
メニュー開発と新店舗の不動産開発だったそうです。

仕事なので、何から何まで「楽しい」というのは
なかなか難しいことだとは思いますが、
少なくとも、今自分がやっている仕事の中で、
「これをやってる時が楽しい!」というものは
しっかり持っていたいし、
それが一つもない仕事は、
続けるのが非常に難しいだろうな、と思います。


②リスクをとる

幸せを手に入れるためには
失敗やリスクを超えていかなければならない。
床の上に置かれたロープの上を渡っても、
それでは決して得られない。
リスクのないところには成功はなく、
したがって幸福もないのだ。

なかなか突き刺さる言葉だなぁと思います。

最近やたらと投資の本を読んでいたのですが、
投資の世界では、「No Risk, No Return.」
というのが基本原則です。
それはビジネス、仕事においても
一緒かもしれません。

失敗を恐れず、リスクをとる。
簡単ではないけど、必要なことだと思います。


③やり遂げる

印象に残っているレイ・クロックの言葉を
最後にもう一つ。

やり遂げろ
―この世界で継続ほど価値のあるものはない。
才能は違う
―才能があっても失敗している人はたくさんいる。
天才も違う
―恵まれなかった天才はことわざになるほどこの世にいる。
教育も違う
―世界には教育を受けた落伍者があふれている。
信念と継続だけが全能である

確かに、
継続ほど価値のあるものはないと思います。
ただ、何でも「継続」すればいいという
ことでもないと個人的には思います。
レイ・クロックの言葉にあるように
「信念と継続」つまり、
「信念をもってやり遂げること」が重要であり、
レイ・クロックにとってのマクドナルドがそうであったように、
「信念をもってやり遂げたい」と思える何かを
見つけることが重要なのだと感じました。


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2012年2月26日日曜日

ハウステンボスはなぜ再建できたのか (『カンブリア宮殿』を観て)

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久しぶりに「読書感想文」以外のブログ投稿です。


ここ何年かで、自分のテレビの視聴スタイルは
大きく変わりました。

どう変わったかというと、
リアルタイムで番組を見る比率が大幅に減り、
観るのはほとんどが録画予約した番組です。

そもそも仕事が忙しいので、
あまりテレビをゆっくり観る時間もなく、
どうせ限られた時間しか観ないのであれば、
厳選した番組を観たいと思い、
「連ドラ予約」機能を使って、観たい番組を
内蔵のHDDにどんどんため込んでいます。

基本的にメインで予約しているのは、
以下の3つの番組です。

①ワールドビジネスサテライト
②カンブリア宮殿
③ガイアの夜明け
(別にテレ東の回し者ではありませんよ)

①は、平日仕事から帰って来て観ます。
②と③は、ためておいて、土日に観ます。
そして、基本的には、2倍速で観ます。笑


前置きが長くなりましたが、今日、
例によって録画していたカンブリア宮殿を観たのですが、
なかなか面白かったのでご紹介です。

ゲストはハウステンボスの澤田秀雄社長です。

18年連続で赤字だったハウステンボスを
どうやって開業以来の黒字に転換させることができたのか、
前々からとても気になっていたので、興味深い内容でした。

澤田社長が再建のために行ったのは、
大きく言うと、以下の3つだそうです。

①負担を減らす
②驚きと感動で客を呼ぶ
③異業種の力を使う(シャープ、ワンピースなど)

①は、具体的には、
固定資産税などの税金の免除を佐世保市に求めたそうですが、
いわゆる「コストカット」という意味では、
経営破綻した企業としては当然のことだと言えます。

個人的に、すごいなと思ったのは②の部分です。

驚きと感動で客を呼び、そしてリピーターを作るために、
イベントやアトラクション等への投資を
これまでの2倍以上に増やすという積極投資を行いました。

赤字の企業がそれだけの積極投資を行うことは
非常に勇気のいることだと思いますが、
そもそも赤字だった一番の原因はリピーターが少なかったことで、
それを解決するためには「驚きと感動」が必要だったのでしょう。

その取り組みの一例として紹介されていた
日本最大規模の3Dプロジェクションマッピングは
TVを通して観ても迫力があり、
観に行きたいと思わせる力がありました。

YouTubeで動画を見つけたので貼り付けます。




「驚きと感動」でリピーター(ロイヤルカスタマー)を作るという構造は、
なんとなく、ザッポスと似ている気がします。


そして、澤田社長が次に力を入れているのが、
「東アジアと九州の共生」です。
その足がかりとして、長崎-上海間を船で結び、
中国から大量の観光客を呼び込もうとしています。

東京から希望して地元九州に戻ってきた自分としても、
「東アジアと九州の共生」というのは、
非常に関心のあるテーマですし、
九州経済の未来を語る上で最重要テーマの一つだと思います。

黒字化したハウステンボスが
今後、どこまで再建を果たすのか、
とても興味深いですし、
小学校の修学旅行以来のハウステンボスに
行ってみたくなりました。


ちなみに、
自分がいつも読んだ本についてブログを書いているのは、
せっかく本を読んで得た知識や考えを、そのままにせず、
一度整理し、自分の言葉にしてみることで、
より理解を促すことができると思うからです。

それに、読んだ後にブログを書くということを読む前から決めておけば、
その本を読む姿勢も自然と「前のめり」になります。
普通に出席する会議と、
議事録を書くことを要求されて出席する会議とでは
集中力が大きく変わるのと同じ原理です。

そういう意味で言うと、
テレビも、同じ原理を利用すれば、
同じ番組を観るにしても、
より多くのことを学べるんじゃないだろうか、と。
そんなことを考えています。

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2012年2月12日日曜日

孫正義に未来を学び、佐野眞一に歴史を学ぶ。(『あんぽん 孫正義伝』を読んで)

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あんぽん 孫正義伝
あんぽん 孫正義伝
posted with amazlet at 12.02.12
佐野 眞一
小学館
売り上げランキング: 21

ノンフィクション作家の佐野眞一さんが
書いた孫正義伝。

著者自ら、
「孫正義をテーマにしてこれまで書かれた
どんな本より、本書は百倍は面白い」
と豪語するだけあって、
かなり読み応えのある本でした。

何よりも、この著者の取材力は、
「凄まじい」の一言です。
「孫正義伝」でありながら、
そこに書かれていることの半分以上は、
孫さん本人も知らなかった事実ばかり。
孫さんもすごい人ですが、
この著者の「プロの技」には脱帽です。

孫家三代にわたるこの“物語”は、
途中でノンフィクションであることを忘れてしまうほど
強烈な出来事の連続で、
分厚い本ですが、どんどん読み進めたくなる
一冊だと思います。

個人的には、この本の面白さは、
孫さんと著者佐野さんが、
非常に対照的である点だと思います。

常に「未来」を語る孫さんと、
これでもかと「歴史」を紐解く著者。

まさに両極にいる二人の個性が、
読んでいて非常に興味深い限りです。

自分もこれまではどちらかというと、
歴史を軽んじてしまう傾向があったように感じますが、
この著者の言葉には、そういった自分の態度を
改めようと思わせる力があります。

飛躍的な技術革新を目の当たりにしたとき、
それに子どものように疑いなく飛びつくのではなく、
一度立ち止まり、その技術が生まれてきた
歴史の背景について、じっくり
考えをめぐらせなければならない。
そうした真摯な態度を忘れたとき、
人間は過去を葬り去る愚を犯すだけでなく、
本当の未来を見失う愚も犯す。

過去に固執し、
既存の枠から抜け出せないような生き方は嫌ですが、
歴史から学ぶことが多いのは事実だと思います。


その他、個人的に印象に残っているのは、
孫さんが言ったというこんな一言です。

「自分は記憶力や知識には自信がないけど、
考える力では誰にも負けない」

ちなみに、孫さんは、
日本ソフトバンクを設立した後、
3年半の長期入院を余儀なくされたのですが、
その時に、三千冊以上もの本を読んだそうです。

「知識」+「考える力」

当たり前ですが、
それに勝るものは無いのだと感じました。


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2012年2月5日日曜日

金持ちになるために必要な2つのこと(『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んで)

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金持ち父さん貧乏父さん
ロバート キヨサキ シャロン・レクター(公認会計士)
筑摩書房
売り上げランキング: 81

「超」が付くベストセラーなので、
読んだことがある人も多いと思いますが、
この本は若いうちに読んでおくべき一冊だと思います。

別にお金持ちになりたくて
この本を読んだわけではないのですが、
ここ最近、「お金」とか「金融」とか「経済」といった
ものに対してあまりにも無知な自分に、
漠然と不安を感じるようになり、今年は少し、
広告・マーケティング以外のことも勉強しようと思い、
そのとっかかりとしてこの本を読んでみました。


この本を読んではっきりしたこと。
それは、お金持ちになるためには、
以下の2つのことを実践しなければいけない
ということです。

(1)金持ちになりたければ、お金について勉強しなければならない。

言われてみれば当たり前のことですが、
改めて自分の人生を振り返ってみると、
小学校から大学までいろんな勉強をしてきたのに、
「お金についての勉強」なんて、
全くと言っていいほどしてきませんでした。
この本にも書かれていますが、
自分がお金を稼ぐために持っている唯一の技術は、
「一生懸命働くこと」だけなのです。

中流以下の人間はお金のために働く
金持ちは自分のためにお金を働かせる

これがこの本の中で「金持ち父さん」が教えてくれる
「第一の教え」なのです。

では、具体的に何を勉強すればいいのか。
作者が「ファイナンシャル・インテリジェンス」と呼ぶ
お金の知識は、下記4つの分野の知識から
成り立っていると説明されています。

①会計力
②投資力
③市場の理解力
④法律力

一応、広告の仕事をしているので、
③はこれまでも関心をもっていた分野ですが、
それ以外は、恥ずかしながら、
これまでかなり遠い世界にあったものです。

最近よく感じるのですが、
お金の世界というのは、
無知な人が損をする仕組みになっている気がします。
日本では特に、
「お金の話」をするのははしたないこととされていますが、
その弊害は想像以上に大きなものになっている
気がしてなりません。

親や学校が教えてくれないのであれば、
自分自身で勉強するしかないので、
少しずつでも始めてみようと思っています。


(2)資産と負債の違いを知り、資産を買わなければならない。

中流以下の人は、「負債」にばかりお金を費やし、
金持ちは、ただ「資産」を買うことにお金を費やす。
それが、この本の主張です。

資産と負債の違いについては、
以下のように定義されています。

資産は私のポケットにお金を入れてくれる
負債は私のポケットからお金をとっていく

実にシンプルですが、
世の中には、負債にばかりお金を使う人がほとんどです。

では、資産とは具体的に何を指すのでしょうか。

1.自分がその場にいなくても収入を生み出すビジネス
2.株
3.債権
4.投資信託
5.収入を生む不動産
6.手形、借用証書
7.音楽、書籍などの著作権、特許権
8.その他、価値のあるもの、収入を生み出すもの、市場価値のある物品など

以上が、作者が「本当の資産」と考えるものです。

そして、大切なのは、「自分が一番好きな資産」、
つまり興味関心を持続できる資産を手に入れることだそうです。
ただし、これを行うのは、
(1)で述べた、お金に関する知識を
十分に得た上での話です。
(ちなみに持ち家は資産ではなく負債だと書かれています)

これは個人的な意見ですが、
上記の中でも初心者が一番とっつきやすいのは、
投資信託ではないでしょうか。

自分が今唯一保有している資産は投資信託です。
投資信託を始める前には、わずかですが、
以下の本などを読んで勉強しました。

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
10万円から始める投資信託入門―初心者のための買い方・売り方ガイド
投資信託にだまされるな!—本当に正しい投信の使い方


投資的な話には賛否両論あると思います。
お金が全てじゃないですし、
この本にも書かれている通り、
金持ちになれば全てが解決するわけでもありません。
ただ、「お金の知識」は持っていて損はないですし、
今の日本人には、圧倒的に不足しているのも
事実だと思います。

ということで、今年は、そういった関連の本も、
たまには読んでいこうと思っています。

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2012年1月21日土曜日

良い人生を送るための3つの教え(『「原因」と「結果」の法則』を読んで)

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「原因」と「結果」の法則
ジェームズ アレン
サンマーク出版
売り上げランキング: 246


たまにベタな自己啓発本が読みたくなる時があり、
まぁ新年だし読んでみようかなと思い、
アマゾンでいろいろ検索してみて
この本にたどり着きました。

印象に残った箇所を3つ紹介します。


①環境は思いから生まれる

私たちは、自分を環境の産物だと信じているかぎり、
環境によって打ちのめされる運命にあります。
(中略)
自分の心をしっかりと管理し、
人格の向上に努めている人たちは、
「環境は思いから生まれるものである」
ということを熟知しています。

確かに、何でも環境のせいにする人がいたり、
自分も自分の環境を愚痴ってしまう時があったりしますが、
自分の思いや、考え方、捉え方が変わると
同じ環境が全く違って見えることがあります。

ただ、個人的には、
自分の「思い」だけではどうにもならない
環境というものも稀に存在すると思っています。
そんな時は物理的に環境を変えてみる。
そうすると新しい環境から生まれる「思い」
というものもある気がします。


②目標をもつ

思いと目標が結びつかないかぎり、
価値ある物事の達成は不可能です。
でも、目標をもたないために
人生の海原を漂流している人たちが、
驚くほどたくさんいます。

「目標をもたないこと」を
「人生の海原を漂流している」と表現しているのが、
なんだかとても気に入りました。

必死になってパドルを漕いでるのに
気づいたら自分はどこに向かっていたのか
わからなくなってしまうような人生は送りたくないですね。


③穏やかな心

この上なく穏やかな心は、
この上なく強い心です。
穏やかな心の持ち主は、
つねに愛され敬われます。

どっちかというと短気な自分にとっては、
これが一番難しかったりします。

すぐに習得することは不可能でも
年を重ねるにつれて
少しずつでも「穏やかな心」を
もてるようになりたいものです。


特にまとまりのない感想になってしまいました。。

いつも自己啓発系の本を読んだ後に思うのですが、
良書と言われる自己啓発本の多くは、
本質的には同じことしか書かれていない気がします。
なので、いろんな自己啓発本を読むよりは、
これだと思った1冊を繰り返し読んだ本がいいと思います。
と、わかっていながらまた読んでしまいましたが。。

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2012年1月15日日曜日

「戦略」の前に、まず「戦術」を決めよ(『ボトムアップ・マーケティング戦略』を読んで)

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実戦ボトムアップ・マーケティング戦略
ジャック・トラウト アル・ライズ
日本能率協会マネジメントセンター
売り上げランキング: 1577


久しぶりに目から鱗が落ちる感覚を味わいました。

「まず戦略を固めて、それから戦術を考える」
それは、これまで自分の中では、
疑う余地もない常識だと思っていました。

しかし、この本が提唱する
「ボトムアップ・マーケティング」は、
完全にその逆の概念で、
「戦術によって戦略が決定し、その後に戦略が戦術を動かす」
という考え方です。

戦略がないのに戦術なんて考えられない。
考えたとしても、そんなのうまく機能しない。
恥ずかしながら、この本を読むまで
そんな風に考えていました。
しかし、この本を読み進めるにつれ、
自分の考えは完全に間違っていたと
思うようになりました。


このボトムアップ・マーケティングを理解するためには
まず、「戦術とは何か」「戦略とは何か」
理解する必要があります。

まず、戦術は、以下のように定義されています。

戦術とは、顧客の心の中で競合に対して
優位性と知覚される斬新な切り口である。

「顧客の心の中で」というのが
非常に重要なポイントです。
さらに、戦略については、以下のように書かれています。

戦略の目的は、戦術を活かすために
経営資源を集結することである。

つまり、それが、
「戦術によって戦略が決定し、その後に戦略が戦術を動かす」
ということなのです。

なぜ戦略を先に決めると
まずいことになるのかについては、
是非この本を読んでみていただきたいです。
事例とともに解説されていて
非常に説得力があります。


さて、ここで考えてみたいのは、
「広告会社がコンペに参加するときも
戦略よりも先に戦術を決めるべきか」
ということです。

一般的に大雑把に言うと、
戦略を考えるのは、
「マーケティング」の役割であり、
戦術を考えるのは、
「クリエイティブ」や「プロモーション」や「メディア」
の役割だと言えます。

そもそも戦略と戦術を考える部隊が
別々に切り離されて存在することが問題、
という議論はここでは置いておくとして、
ここでも、やはり、
まずはマーケが戦略を考えるのが第一歩だと
これまでは決め込んでいました。

しかし、この本を読んだ今は、
多少の例外はあるとしても、
まずは戦術を考えるべきだと感じます。

ただし、
「戦術とは、顧客の心の中で競合に対して
優位性と知覚される斬新な切り口である。」
という戦術の定義を理解していることが前提です。

部署とか関係なく、
顧客の心の中をよく理解している人間が
有効な「戦術」を見出す。
そしてそれによって戦略が決定し、
全てがその「戦術」を後押しする。
そんな進め方がいいのかもしれません。

戦略を先に決めてしまうと、戦術は、
「戦略を具現化すること」が目的化されてしまい、
「顧客の心の中で競合に対して優位性と
知覚される斬新な切り口」を探すという
本来の役割が疎かになってしまう
危険性があります。

また、この本の中には、
ドイツの陸軍元帥エルヴィン・ロンメルの
言葉として以下のように書かれています。

戦術的に実行できないような戦略計画は
それが戦略上最高であっても
使い物にならない

確かに、コンペの敗退理由として
「コンセプトは素晴らしいけど、
具体施策がいまいち・・・」
みたいなことってよくあるような気がします。

この本に書かれている
非常に重要なポイントとして、
以下の2つのことも忘れてはいけません。

ひとつは、
戦術と戦略のどちらかが重要ということではなく、
重要なのは、「両者の結びつき」
だということです。

もうひとつは、
「現場に出向く」ことの重要性です。
現場に出向かなければ、
有効な「戦術」を見出すことはできません。
ちなみに、現場とは、
「見込み客の心」だと書かれいます。


正直、この本のドックイヤーは、
前半部分に集中していますが、
読んでみる価値のある一冊だと思います。

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2012年1月3日火曜日

差別化にまつわる落とし穴(『ビジネスで一番、大切なこと』を読んで)

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ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業
ヤンミ・ムン
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 1665


この本のテーマを一言で表すと、
「差別化」になると思います。

差別化に焦点を当てた本と言えば、
「独自性の発見」など他にも多くありますが、
この本にもなかなか興味深いことが書かれています。

突然ですが、もしあなたが、
以下のような「通知表」を受け取ったら
どう感じるでしょうか。

プレゼンスキル     :★★★★
具体的な証拠の活用  :★★★★
独創性          :★★
論理性          :★★★★★
分析的思考       :★★★★
(★3つが平均値)

恐らく多くの人が、
「もっと独創性を高めなければ」
と感じるのではないでしょうか。

以下、本文からの引用です。

相違点を可視化するや、
おかなしな現象が起こる。
当事者たちは、
互いの違いを際立たせるのではなく、
解消しようとするのだ。
(中略)
どんなに傑出した項目があったとしても、
全体としてでこぼこがあれば、
へこんでいる方を埋めたくなる衝動に駆られる。
企業も同じ罠に陥る。

企業であれば当然、
自社の強みや弱みを分析し、同時に、
競合他社のことも詳しく調査しているでしょう。
しかし、実はそこに、
現代の大きな落とし穴があるようです。
競合他社と競おうとすればするほど、
その企業は「同一化」へと進むことになるのです。

他社と比べて自社に足りない部分を補おうとする余り、
自社の独自性は影をひそめ、
いつの間にか他社と似通った存在になってしまいます。
わりと心当たりのある話ではないでしょうか。

差別化を実現するためには、
競争ではなく、
競争からの完全な脱却が必要なのだ。

作者のヤンミ・ムン教授はそう言います。

また、競合調査と同様に、
市場調査や顧客調査の類も、
企業にとっては必須のマーケティングツールですが、
それらに過度に依存してしまうと、
顧客のニーズに答えることのみが至上命題化してしまい、
それもまた、「差別化」ではなく、
「同一化」を生む原因となってしまうのです。

皆が同じようにニーズに答えようとすれば
行きつく先は結局同じでしかなく、
早いか遅いか、高いか安いかの
違いしかなくなってしまいます。

競争相手を無視せよと言っているのではない。
消費者と同じ目で見ることが重要なのだ。
消費者の目にはぼんやりと
カテゴリー全体が見えるだけで、
個々のブランドは映っていない。
この不鮮明さから抜け出すこと。
それが、「違っている」ということなのだ。

では、この成熟化してしまった現代の市場において、
どのように差別化を行うことができるのか。

本書では、
「リバース・ブランド」
「ブレークアウェー・ブランド」
「ホスタイル・ブランド」
という3つの類型で、
差別化に成功した企業の事例が紹介されています。
(詳しくは、本書をご参照ください)


ここからは、私の個人的な考えですが、
私は、「差別化には限界がある」と思っています。

企業やそのマーケティングをサポートする
広告会社であれば、当然、
「どう差別化できるか」ということを
ただひたすら考えなければいけないのですが、
成熟市場で差別化を図るためには、
「イノベーティブなアイデア」が不可欠であり、
それを本当の意味で達成した企業は、
過去を振り返っても数えるほどしかありません。

「イノベーティブなアイデア」は
誰にでも思いつくものではありませんし、
無理に「差別化」に固執することは、
「消費者にとって意味のない差別化」
追及してしまう危険性をはらんでいます。

本当の差別化を生み出すことができる
イノベーティブな発想力が求められていることは
言うまでもありませんが、
まずは、「消費者にとって意味のある差別化」と
「意味のない差別化」の違いを見極めることが
できる力を身に付けていきたいと思います。

そして、「差別化の限界」に直面したとき、
広告やコミュニケーションとして何ができるのか。
それもまた大きな課題のひとつだと思います。

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2012年1月2日月曜日

My New Year's Resolution 2012

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This year, I will


- read more than 50 books


- post more than 70 blog entries


- lose more than 5 kilograms


- increase sales by more than 120%


- save more than *,***,*** yen


- make my family happier


in order to establish a firm foundation for my 30's.


さて、何個達成できるかな。。

20代最後の年。
もちろん全部達成するつもりで頑張ります。

英語で書いた意味は特にありません。笑

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